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陸屋根に太陽光発電を設置するメリット・デメリット、費用、方法を徹底解説!

陸屋根 太陽光発電

太陽光発電は、環境に優しく、経済的にも魅力的なエネルギー源です。しかし、太陽光発電を始めるには、設置場所や方法を選ぶ必要があります。その中でも、陸屋根に太陽光発電を設置するという選択肢があります。陸屋根とは、地上に対して平行に作られた屋根のことで、工場やオフィスビルなどに多く見られます。陸屋根に太陽光発電を設置する場合、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか? また、どのような費用や方法が必要なのでしょうか? この記事では、陸屋根で太陽光発電を始めるなら知っておきたいことをご紹介します。

目次

陸屋根に太陽光発電を設置するメリット

土地の選定や造成工事が不要

陸屋根に太陽光発電を設置する場合、土地の選定や造成工事といった手間や費用を省略できます。

地上設置型太陽光発電の場合、設置場所に応じて土地の購入や借り入れ、地盤の強化や整地などの工事が必要になりますが、陸屋根の場合は既存の建物の屋根を利用できるため、そのような負担がありません。

足場が不要でメンテナンスしやすい

陸屋根は、傾斜がないので設置やメンテナンスがしやすいというメリットがあります。

傾斜屋根の場合、太陽光パネルを設置する際や定期的な点検の際に足場を組む必要がありますが、陸屋根の場合は足場が不要で、目視によるチェックや清掃などが容易に行えます。

施工期間が短い

陸屋根は、施工期間が短いというメリットもあります。

傾斜屋根や地上設置型太陽光発電の場合、屋根の形状や地盤の状態に応じて、架台の設置や配線の引き回しなどの工事が複雑になりますが、陸屋根の場合は比較的シンプルな工事で済むため、スピーディに設置できます。

陸屋根に太陽光発電を設置するデメリット

建物の老朽化に注意

陸屋根に太陽光発電を設置する場合、建物の老朽化に注意する必要があります。

太陽光発電の寿命は約20年から30年と言われていますが、建物の寿命はそれよりも短い場合があります。

建物が老朽化して解体する必要がある場合、太陽光発電設備も一緒に撤去しなければなりませんが、その際には撤去費用や廃棄費用が発生します。

また、費用回収前に設備を撤去することになると、大きな損失になります。

そのため、太陽光発電を設置する前には、建物の築年数や劣化状況を調査してもらい、少なくともこの先20年から30年は建物を維持できるかを確認しておくことが大切です。

温度上昇による発電効率低下

陸屋根に太陽光発電を設置する場合、温度上昇による発電効率低下に注意する必要があります。

太陽光パネルの発電効率は、日照時間や日射量に加えてパネル表面の温度によっても変わります。

一般的に、パネルの表面温度が上がれば上がるほど発電効率が低下していきます。

陸屋根に設置された太陽光パネルは、地面からの反射熱や屋根の断熱性の低さなどの影響を受けやすく、夏場や気温の高い日にはパネルの表面温度が50℃以上になることもあります。

そのため、陸屋根で太陽光発電を始める時は、散水装置などの冷却装置の設置を検討したり、事前に屋上の温度を計測したりしておくことがおすすめです。

防水工事が必要な場合がある

陸屋根に太陽光発電を設置する場合、防水工事が必要な場合があります。

陸屋根には傾斜がないので、雨水が溜まりやすいというデメリットがあります。

そのため、太陽光パネルを設置する際に屋根に穴を開けると、雨漏りのリスクが高まります。

穴を開けないで設置する方法もありますが、その場合は太陽光パネルを固定する重石が必要になり、屋根に負荷がかかります。

どちらの方法を選ぶにしても、防水工事が必要になる場合がありますので、事前に施工業者に相談しておくことが大切です。

陸屋根に太陽光発電を設置する方法

陸屋根に太陽光発電を設置する方法は、大きく分けて3種類あります。

  • 重石工法
  • 置き基礎工法
  • アンカーレス架台の設置

それぞれの方法の特徴やメリット・デメリットを以下に説明します。

重石工法

重石工法とは、屋根に穴を開けずに、コンクリートブロックなどの重石で太陽光パネルを固定する方法です。

重石工法の流れは以下の通りです。

  1. 屋根にコンクリートブロックを設置する。
  2. コンクリートブロックに架台やレールを取り付ける。
  3. 架台やレールに太陽光パネルを固定する。

重石工法のメリットは以下の通りです。

  • 防水工事や穴あけ工事が不要で、工期が短い。
  • 設置角度が低いので、パネル間の距離を詰めて、多くのパネルを設置できる。
  • 重石の分だけ、風圧に強い。

重石工法のデメリットは以下の通りです。

  • 重石の分だけ、屋根に負荷がかかる。
  • 設置角度が低いので、発電効率が低下する可能性がある。
  • 屋根とパネルの間に風が入り込んで、パネルが外れるリスクがある。

置き基礎工法

置き基礎工法とは、パレット付きの架台をコンクリートブロックで固定する方法です。

パレット付きの架台とは、平らなパネル上の部材を架台に取り付けたものです。

置き基礎工法の流れは以下の通りです。

  1. 屋根にパレット付きの架台を配置する。
  2. パレット部分にコンクリートブロックを置いて、架台を固定する。
  3. 架台に太陽光パネルを固定する。

置き基礎工法のメリットは以下の通りです。

  • 防水工事や穴あけ工事が不要で、工期が短い。
  • 架台に角度が付いているので、発電効率が高い。
  • パレットの分だけ、風圧に強い。

置き基礎工法のデメリットは以下の通りです。

  • パレットと重石の分だけ、屋根に負荷がかかる。
  • 設置角度が高いので、パネル間の距離を広くとらなければならない。

アンカーレス架台の設置

アンカーレス架台の設置とは、屋根に穴を開けずに、特殊な接着用テープで架台を固定する方法です。

アンカーレス架台の設置の流れは以下の通りです。

  1. 屋根と架台に接着用テープを貼り付ける。
  2. 架台に太陽光パネルを固定する。

アンカーレス架台の設置のメリットは以下の通りです。

  • 防水工事や穴あけ工事が不要で、工期が短い。
  • 接着用テープの分だけ、屋根に負荷がかからない。
  • 架台に角度が付いているので、発電効率が高い。

アンカーレス架台の設置のデメリットは以下の通りです。

  • 接着用テープの強度や耐久性に不安がある。
  • 架台の価格や種類が限られる。

陸屋根に太陽光発電を設置する場合の費用

まず、費用は設置する太陽光発電の容量や種類、架台の工法や角度、屋根の材質や状態などによって異なりますが、一般的には傾斜屋根に比べて高くなる傾向があります。

その理由は、陸屋根には傾斜がないので、太陽光パネルを設置するために架台を使う必要があるからです。

架台は、太陽光パネルを固定する金具や支柱などの部品で構成されており、その数や種類によって価格が変わります。

架台の価格は、一般的には1kWあたり3万円から10万円程度と言われていますが、工法や角度によっても異なります。

工法とは、架台を屋根に固定する方法のことで、穴を開けてアンカーで固定する方法や、穴を開けずに重石で固定する方法などがあります。

穴を開けてアンカーで固定する方法は、安定性や耐風性が高いですが、防水工事や穴あけ工事が必要になります。また、屋根の材質によっては穴を開けることができない場合もあります。

穴を開けずに重石で固定する方法は、防水工事や穴あけ工事が不要で、屋根の材質に関係なく設置できますが、重石の分だけ屋根に負荷がかかります。また、重石の分だけ架台の価格が高くなります。

角度とは、太陽光パネルの傾斜角度のことで、一般的には30度程度が最適と言われていますが、地域や季節によっても異なります。

角度が高いほど、太陽光パネルの発電効率は高くなりますが、架台の高さや風圧耐性も高くなります。そのため、架台の価格も高くなります。

また、角度が高いほど、太陽光パネルの間隔も広くとる必要があります。それは、太陽光パネルが互いに影を作らないようにするためです。太陽光パネルが影になると、発電効率が低下します。

したがって、角度は発電効率と費用のバランスを考えて決める必要があります。

以上のように、陸屋根に太陽光発電を設置する場合の費用は、様々な要素によって変わります。

そのため、費用を知るためには、複数の施工業者に見積もりを依頼して比較することがおすすめです。

見積もりを依頼する際には、以下の点に注意してください。

  • 見積もりは無料であることを確認する
  • 見積もりは明細を詳しく説明してもらう
  • 見積もりは架台の工法や角度、屋根の材質や状態などを考慮したものであることを確認する
  • 見積もりは保証やアフターサービスなどの内容も含めてもらう

以上のことを踏まえて、陸屋根に太陽光発電を設置する場合の費用を検討してみてください。

まとめ

陸屋根に太陽光発電を設置する場合は、メリットとデメリットがあります。メリットとしては、土地の選定や造成工事が不要で、足場が不要でメンテナンスしやすく、施工期間が短いという点が挙げられます。デメリットとしては、建物の老朽化に注意しなければならないことや、温度上昇による発電効率低下に注意しなければならないこと、防水工事が必要な場合があることが挙げられます。陸屋根で太陽光発電を始める場合は、これらのメリットとデメリットをしっかりと理解して、自分の状況に合った設置方法を選ぶことが重要です。

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