マンションを売却する際には、査定を受けることが必須です。査定とは、不動産会社がマンションの価値を見積もることで、売り出し価格の基準となります。しかし、査定を受けるにあたっては、注意すべき点がいくつかあります。査定を成功させて、高く売却するためには、どのようなことに気を付けるべきでしょうか？ 今回は、マンション査定の注意点について、6つのポイントをご紹介します。
1. 査定方法を選ぶ
マンション査定には、大きく分けて2種類の方法があります。一つは、インターネット上で物件情報を入力するだけで、複数の不動産会社に査定依頼できる「簡易査定」です。もう一つは、不動産会社のスタッフが実際に物件を見て、正確な査定額を出す「訪問査定」です。どちらの方法を選ぶかによって、査定額や査定時間が変わってきます。
簡易査定は、手軽に査定額の目安を知ることができますが、物件の状態や周辺環境などは考慮されません。そのため、査定額はあくまで参考程度と考えておきましょう。また、簡易査定では、複数の不動産会社から査定額を比較することができます。これによって、信頼できる不動産会社を見極めることができます。
訪問査定は、査定額の精度が高くなりますが、時間や手間がかかります。また、訪問査定を受けるには、事前に物件の清掃や整理整頓をしておく必要があります。訪問査定は、マンション売却を本格的に進める際に、より適切な売り出し価格を決めるために受けるべきです。
2. 査定時期を考える
マンション査定は、売却時期によっても変わってきます。一般的に、不動産市場は春先や秋口に活発になります。この時期は、住み替えや転勤などの需要が高まるため、マンションの売り出し数や購入希望者も増えます。そのため、査定額も高くなりやすいです。逆に、年末年始や夏休みなどの閑散期は、査定額も低くなりがちです。
ただし、査定時期は、マンションの立地や特徴によっても異なります。例えば、海や山に近いマンションは、夏や冬に需要が高まることがあります。また、新築マンションや駅近マンションなどは、時期に関係なく人気があることがあります。そのため、査定時期を決める際には、自分のマンションの特徴や周辺の相場を調べておくことが大切です。
3. 査定前に準備をする
マンション査定は、物件の状態や設備によっても変わってきます。そのため、査定前には、できるだけ物件の価値を高めるための準備をしておくことが望ましいです。具体的には、以下のようなことに注意しましょう。
清掃をする
物件の清潔さや維持管理状況は、査定に影響します。特に、水回りや玄関などの印象が強い部分は、しっかりと掃除をしておきましょう。また、不要なものは処分して、部屋を広く見せることも効果的です。
故障や不具合を修理する
水漏れやカビ、壁紙の剥がれなどの故障や不具合は、査定額を下げる要因になります。自分で修理できるものは修理しておきましょう。ただし、大掛かりなリフォームは、査定額に見合わない出費になる可能性があるので、不動産会社に相談してから行うようにしましょう。
書類を用意する
査定を受ける際には、必ずしも書類が必要というわけではありませんが、物件の価値を証明する書類があれば、査定額にプラスになることがあります。例えば、耐震性や断熱性などの高性能住宅であれば、「住宅性能評価書」を用意しておくとよいでしょう。また、リフォームや修繕の履歴や見積もり書なども、査定に有利になる可能性があります。
4. 査定中に対応する
査定中には、不動産会社のスタッフとコミュニケーションをとることが重要です。査定中には、以下のようなことに注意しましょう。
質問に正直に答える
不動産会社のスタッフは、物件の状態や履歴などについて質問をすることがあります。このとき、故障や不具合などの欠陥を隠したり、嘘をついたりするのは絶対にやめましょう。欠陥を隠しても、後で発覚すれば、査定額の減額や契約の解除などのトラブルになります。また、嘘をつくと、不動産会社の信頼を失うことにもなります。正直に答えることで、不動産会社との信頼関係を築くことができます。
査定の根拠や方法を確認する
査定額を出してもらったら、その根拠や方法を確認しましょう。査定額は、不動産会社によって異なることがありますが、その理由を知ることで、査定の妥当性や信頼性を判断することができます。また、査定の根拠や方法を確認することで、不動産会社の専門性やサービスの質を評価することができます。査定の根拠や方法については、以下のような点に注目しましょう。
査定に使用したデータや指標
査定には、物件の築年数や面積、間取り、設備、立地、周辺環境などの基本情報だけでなく、近隣の取引事例や相場動向、将来の見通し、需要と供給のバランスなどの市場情報も使用されます。査定に使用したデータや指標は、できるだけ新しくて正確であることが望ましいです。また、査定に使用したデータや指標は、査定書に明記されていることが望ましいです。
査定に使用した手法や計算式
査定には、主に3種類の手法が使用されます。一つは、近隣の同じような物件の取引価格を参考にする「比較法」です。もう一つは、物件の将来の収益力を評価する「収益法」です。さらに、物件の土地と建物の価値を別々に算出する「原価法」です。査定に使用した手法や計算式は、物件の特徴や市場の状況に応じて適切に選択されていることが望ましいです。また、査定に使用した手法や計算式は、査定書に明記されていることが望ましいです。
5. 査定後に交渉する
査定額を出してもらったら、そのまま納得してしまうのではなく、交渉することも大切です。査定額は、不動産会社の見解であり、必ずしも正しいとは限りません。また、査定額は、不動産会社の利益を考慮したものであり、必ずしも売主の利益になるとは限りません。そのため、査定額に納得できない場合は、交渉することで、より高い査定額を得ることができる可能性があります。交渉する際には、以下のようなことに注意しましょう。
複数の不動産会社に査定を依頼する
査定額は、不動産会社によって異なることがあります。そのため、一つの不動産会社にだけ査定を依頼するのではなく、複数の不動産会社に査定を依頼することが望ましいです。複数の不動産会社に査定を依頼することで、査定額の相場を知ることができます。また、査定額の相場を知ることで、交渉の材料にすることができます。例えば、査定額が相場よりも低い不動産会社に対しては、他の不動産会社の査定額を提示して、査定額の引き上げを要求することができます。
査定額の根拠や理由を聞く
査定額に納得できない場合は、その根拠や理由を不動産会社に聞くことが大切です。査定額の根拠や理由を聞くことで、査定額の妥当性や信頼性を判断することができます。また、査定額の根拠や理由を聞くことで、交渉の材料にすることができます。例えば、査定額が低い理由が、物件の状態や設備にある場合は、その部分を改善して、査定額の見直しを要求することができます。また、査定額が低い理由が、市場の状況や需要にある場合は、その部分を裏付けるデータや情報を提示して、査定額の見直しを要求することができます。
6. 査定書を確認する
査定を受けたら、必ず査定書をもらうようにしましょう。査定書とは、不動産会社が査定した結果を書面にしたものです。査定書には、査定額だけでなく、査定に使用したデータや指標、査定に使用した手法や計算式、査定の根拠や理由などが記載されています。査定書を確認することで、査定の妥当性や信頼性を判断することができます。また、査定書を確認することで、交渉の材料にすることができます。査定書を確認する際には、以下のような点に注目しましょう。
査定書の内容が正しいかどうか
査定書の内容が、自分の物件の情報や市場の情報と一致しているかどうかを確認しましょう。査定書の内容に誤りや不備がある場合は、不動産会社に指摘して、訂正してもらうようにしましょう。査定書の内容に誤りや不備があると、査定額にも影響する可能性があります。
査定書の内容が詳細かどうか
査定書の内容が、できるだけ詳細であることが望ましいです。査定書の内容が詳細であれば、査定の根拠や理由が明確になります。また、査定書の内容が詳細であれば、交渉の材料にもなりやすくなります。査定書の内容があいまいや曖昧である場合は、不動産会社に詳しく説明してもらうようにしましょう。
まとめ
以上、マンション査定の注意点について、6つのポイントをご紹介しました。マンション査定は、マンション売却の第一歩です。査定を受けるにあたっては、注意すべき点がいくつかあります。査定方法や時期、準備や対応、交渉や確認など、査定のポイントを押さえておくことで、高く売却するための準備ができます。査定を受ける前に、この記事を参考にして、マンション査定の注意点を確認しておきましょう。
