ネット販売とは、インターネットを通じて商品やサービスを販売することです。ネット販売は、店舗を持たなくても、自宅や倉庫から商品を発送できるというメリットがあります。また、ネットショップを開設すれば、全国や海外のお客様にも販売できるという可能性が広がります。
しかし、ネット販売を個人で始めるには、どのような手順や準備が必要なのでしょうか?この記事では、個人でネット販売を始めるための方法を、以下の7つのステップに分けて解説します。
- 販売する商品やコンセプトを決める
- 法的な販売可否や必要な届出を確認する
- 商品の仕入れや制作を行う
- ネット販売の場所を選ぶ
- ネットショップのサイトを作る
- 配送や決済などの運用方法を決める
- ネットショップの宣伝や集客を行う
それでは、それぞれのステップについて詳しく見ていきましょう。
1. 販売する商品やコンセプトを決める
ネット販売を始めるにあたって、まずは販売する商品やコンセプトを決めることが大切です。販売する商品やコンセプトによって、ネット販売の方法や戦略が変わってきます。
販売する商品は、既製品を仕入れるのか、オリジナルの商品を作るのか、あるいは受注生産の商品を提供するのかなど、様々なパターンがあります。また、商品の種類や点数も、多くのジャンルや商品を扱うのか、少数の商品に絞るのかなど、自分の得意分野やニーズに合わせて決めましょう。
コンセプトとは、ネットショップのテーマや方向性のことです。コンセプトを明確にすることで、自分のネットショップの強みや特徴を伝えやすくなります。また、コンセプトによって、ネット販売の場所やサイトのデザインなども変わってきます。
たとえば、国産の素材にこだわった食品を販売するというコンセプトなら、モール型のネットショップに出店するという選択肢もあります。モール型のネットショップとは、楽天市場やYahoo!ショッピングなど、インターネット上のショッピングモールに出店できるネットショップのことです。モール型のネットショップは、SEOに強いといわれており、モールの知名度を活かした集客が可能です。
一方で、自分のセレクトした雑貨やアクセサリーを販売するというコンセプトなら、自社サイトでネットショップを開設するという選択肢もあります。自社サイトとは、自分でドメインやサーバーを取得し、自由にデザインや機能を設定できるネットショップのことです。自社サイトは、デザインやディテールにこだわり、自分の世界観やブランドを表現できます。
2. 法的な販売可否や必要な届出を確認する
販売する商品やコンセプトが決まったら、次に法的な販売可否や必要な届出を確認することが必要です。ネット販売では、店舗を持たなくても、営利目的で商品やサービスを販売する場合は、開業届を提出することが義務付けられています。開業届は、事業開始日から1ヶ月以内に、管轄の税務署へ提出しましょう。開業届の提出には審査や手数料はありません。
また、販売する商品によっては、別途届出や許可が必要な場合もあります。たとえば、酒類や中古品を販売する場合は、それぞれ通信販売酒類小売業免許や古物商許可証を取得する必要があります。高度管理医療機器や食品なども、販売に制限がある商品です。取り扱う商品が決まったら、必ず事前に調べておきましょう。
3. 商品の仕入れや制作を行う
商品やコンセプト、法的な販売可否や必要な届出が決まったら、次に商品の仕入れや制作を行います。商品の仕入れや制作の方法は、販売する商品の種類によって異なります。
既製品を仕入れる場合は、仕入れ先や仕入れ価格、仕入れ数量などを決めます。仕入れ先は、卸売業者やメーカー、海外のサイトなどがあります。仕入れ価格や数量は、自分の予算や販売価格、在庫管理などを考慮して決めましょう。
オリジナルの商品を作る場合は、商品の企画やデザイン、素材やパーツの選定、製作方法や工程などを決めます。オリジナルの商品を作る場合は、自分のアイディアを商品化できるというメリットがありますが、製作に時間やコストがかかるというデメリットもあります。自分で作るのか、外注するのかなども検討しましょう。
受注生産の商品を提供する場合は、商品の企画やデザイン、素材やパーツの選定、製作方法や工程などを決めます。受注生産の商品を提供する場合は、在庫を持たなくて済むというメリットがありますが、納期や品質管理などに注意が必要です。受注生産の商品を提供する場合は、お客様に納期やキャンセルポリシーなどを明確に伝えることで、トラブルを防ぐことができます。また、受注生産の商品を提供する場合は、お客様の要望に応えることができるというメリットもあります。たとえば、サイズや色、名入れなどのカスタマイズを受け付けることで、お客様の満足度を高めることができます。
4. ネット販売の場所を選ぶ
商品の仕入れや制作ができたら、次にネット販売の場所を選びます。ネット販売の場所とは、ネットショップを開設するプラットフォームのことです。ネット販売の場所には、大きく分けて、モール型のネットショップと自社サイトの2種類があります。
モール型のネットショップは、インターネット上のショッピングモールに出店できるネットショップのことです。モール型のネットショップのメリットは、モールの知名度や集客力を利用できること、サイトの作成や運用が簡単であること、決済や配送などのサポートが受けられることなどです。モール型のネットショップのデメリットは、出店料や手数料がかかること、モールの規約に従わなければならないこと、他の出店者との差別化が難しいことなどです。
自社サイトは、自分でドメインやサーバーを取得し、自由にデザインや機能を設定できるネットショップのことです。自社サイトのメリットは、自分の世界観やブランドを表現できること、自分の好きなようにサイトをカスタマイズできること、出店料や手数料がかからないことなどです。自社サイトのデメリットは、サイトの作成や運用に技術や知識が必要であること、集客やSEO対策などの責任が自分にかかること、決済や配送などのサポートが受けられないことなどです。
ネット販売の場所を選ぶ際には、自分の商品やコンセプト、予算や目的、スキルや時間などを考慮して決めましょう。また、モール型のネットショップと自社サイトを併用するという方法もあります。たとえば、モール型のネットショップで集客を行い、自社サイトでリピーターを増やすという戦略をとることができます。
5. ネットショップのサイトを作る
ネット販売の場所が決まったら、次にネットショップのサイトを作ります。ネットショップのサイトとは、お客様が商品を見たり、購入したりできるウェブサイトのことです。ネットショップのサイトを作るには、以下の要素に注意しましょう。
デザイン
ネットショップのサイトのデザインは、自分の商品やコンセプトに合わせて、シンプルで見やすく、魅力的で印象的なものにしましょう。色やフォント、レイアウトなどの統一感やバランスも大切です。また、ネットショップのサイトのデザインは、PCだけでなく、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末にも対応できるようにしましょう。これをレスポンシブデザインといいます。
機能
ネットショップのサイトの機能は、お客様が商品を探したり、購入したりできるようにしましょう。商品の一覧や詳細、カートや注文、会員登録やログインなどの基本的な機能はもちろん、商品の検索やソート、レビューやお気に入り、クーポンやポイントなどの付加的な機能もあると便利です。また、ネットショップのサイトの機能は、セキュリティやパフォーマンスにも配慮しましょう。SSLやHTTPSなどの暗号化技術を用いて、お客様の個人情報やクレジットカード情報などの保護を行いましょう。また、キャッシュや圧縮などの技術を用いて、サイトの表示速度や応答速度を向上させましょう。
コンテンツ
ネットショップのサイトのコンテンツは、お客様に商品の魅力や情報を伝えるものです。コンテンツには、商品の写真や説明、価格や在庫などの商品情報のほか、自己紹介やショップの理念、お知らせやブログなどのコミュニケーション情報などがあります。コンテンツを作る際には、お客様のニーズや疑問に答えるようにしましょう。また、コンテンツを作る際には、SEO対策も忘れないようにしましょう。SEO対策とは、検索エンジンで上位に表示されるようにするための対策のことです。SEO対策を行うことで、ネットショップのサイトの集客力を高めることができます。SEO対策を行うには、キーワードやタグ、メタデータなどの設定や、コンテンツの更新やリンクなどの工夫が必要です。
ネットショップのサイトを作る方法は、自分で作る方法と、依頼する方法とがあります。自分で作る方法は、自分の好きなようにサイトを作れるというメリットがありますが、技術や知識が必要であるというデメリットもあります。依頼する方法は、専門的なサイトを作ってもらえるというメリットがありますが、費用がかかるというデメリットもあります。
自分で作る方法には、以下のようなツールやサービスがあります。
ホームページビルダー
ホームページビルダーとは、ドラッグアンドドロップなどの簡単な操作で、ネットショップのサイトを作れるツールのことです。ホームページビルダーのメリットは、コーディングやデザインの知識がなくても、サイトを作れること、テンプレートや機能が豊富に用意されていること、費用が安いことなどです。ホームページビルダーのデメリットは、カスタマイズの自由度が低いこと、SEO対策が難しいこと、サポートが不十分な場合があることなどです。ホームページビルダーの例としては、WixやJimdo、Shopifyなどがあります。
CMS
CMSとは、コンテンツ管理システムのことで、サイトのコンテンツを簡単に管理できるツールのことです。CMSのメリットは、コーディングの知識がなくても、サイトのコンテンツを更新できること、プラグインやテーマが豊富に用意されていること、SEO対策がしやすいことなどです。CMSのデメリットは、サイトの構築に時間がかかること、セキュリティやパフォーマンスに注意が必要なこと、サポートが不十分な場合があることなどです。CMSの例としては、WordPressやEC-CUBE、Magentoなどがあります。
コーディング
コーディングとは、HTMLやCSS、JavaScriptなどの言語を用いて、サイトを作る方法のことです。コーディングのメリットは、サイトのデザインや機能を自由にカスタマイズできること、サイトのパフォーマンスやセキュリティを高められること、サイトの所有権が自分にあることなどです。コーディングのデメリットは、コーディングの知識や技術が必要であること、サイトの作成や運用に時間や労力がかかること、サポートがないことなどです。
依頼する方法には、以下のようなツールやサービスがあります。
デザイン制作サービス
デザイン制作サービスとは、ネットショップのサイトのデザインを依頼できるサービスのことです。デザイン制作サービスのメリットは、プロのデザイナーによる高品質なデザインを得られること、自分の要望やイメージに沿ったデザインを作ってもらえることなどです。デザイン制作サービスのデメリットは、費用が高いこと、納期や修正に時間がかかること、デザインのみでなく、機能やコンテンツも自分で作らなければならないことなどです。デザイン制作サービスの例としては、LancersやCrowdWorks、DesignCrowdなどがあります。
ネットショップ構築サービス
ネットショップ構築サービスとは、ネットショップのサイトの構築を依頼できるサービスのことです。ネットショップ構築サービスのメリットは、プロのエンジニアによる高品質なサイトを得られること、自分の要望やイメージに沿ったサイトを作ってもらえること、デザインや機能やコンテンツも一括で依頼できることなどです。ネットショップ構築サービスのデメリットは、費用が高いこと、納期や修正に時間がかかること、サイトの運用や更新にサポートが必要な場合があることなどです。ネットショップ構築サービスの例としては、FutureShopやカラーミーショップ、BASEなどがあります。
ネットショップのサイトを作る方法は、自分の予算や目的、スキルや時間などに応じて選びましょう。また、ネットショップのサイトを作る際には、お客様の視点に立って、使いやすく、分かりやすく、魅力的なサイトにしましょう。
6. 配送や決済などの運用方法を決める
ネットショップのサイトができたら、次に配送や決済などの運用方法を決めます。配送や決済などの運用方法とは、お客様が商品を購入した後に、どのように商品を届けたり、代金を受け取ったりするかということです。配送や決済などの運用方法を決めるには、以下の要素に注意しましょう。
配送
配送とは、商品をお客様に届ける方法のことです。配送の方法には、自分で発送する方法と、委託する方法とがあります。自分で発送する方法は、自分で商品を梱包し、郵便局や宅配業者に持ち込んで発送する方法です。自分で発送する方法のメリットは、配送費用や納期を自分でコントロールできること、商品の状態や発送状況を確認できることなどです。自分で発送する方法のデメリットは、発送に時間や労力がかかること、在庫や発送の管理が必要なことなどです。委託する方法は、商品の発送を外部のサービスに任せる方法です。委託する方法のメリットは、発送に時間や労力がかからないこと、在庫や発送の管理が不要なことなどです。委託する方法のデメリットは、配送費用や納期が高くなること、商品の状態や発送状況が分からないことなどです。委託する方法には、以下のようなサービスがあります。
ドロップシッピング
ドロップシッピングとは、商品の仕入れ先が直接商品をお客様に発送するサービスのことです。ドロップシッピングのメリットは、在庫を持たなくて済むこと、発送に関する手間がないことなどです。ドロップシッピングのデメリットは、商品の品質や発送状況が分からないこと、仕入れ先との連携が必要なことなどです。ドロップシッピングの例としては、SuperDeliveryやBASE LINK、AliExpressなどがあります。
フルフィルメント
フルフィルメントとは、商品の保管や梱包、発送などを外部のサービスに任せるサービスのことです。フルフィルメントのメリットは、在庫や発送の管理が不要なこと、発送のスピードや品質が向上することなどです。フルフィルメントのデメリットは、費用がかかること、商品の保管や発送に関するトラブルが発生する可能性があることなどです。フルフィルメントの例としては、Amazon FBAやBASE FULFILLMENT、Ship&coなどがあります。
配送の方法を決める際には、自分の商品やコンセプト、予算や目的、スキルや時間などを考慮して決めましょう。また、配送の方法を決めたら、お客様に配送方法や配送料、納期などを明確に伝えましょう。また、発送後には、お客様に発送通知や追跡番号などを連絡しましょう。
決済
決済とは、商品の代金をお客様から受け取る方法のことです。決済の方法には、以下のような種類があります。
代金引換
代金引換とは、商品をお客様に届ける際に、現金やクレジットカードで代金を支払ってもらう方法です。代金引換のメリットは、代金の回収が確実であること、決済手数料が安いことなどです。代金引換のデメリットは、配送費用が高いこと、お客様の利便性が低いこと、キャンセルや返品が多いことなどです。
銀行振込
銀行振込とは、商品を発送する前に、お客様に銀行口座に代金を振り込んでもらう方法です。銀行振込のメリットは、代金の回収が確実であること、決済手数料が安いことなどです。銀行振込のデメリットは、お客様の利便性が低いこと、入金確認や管理が必要なこと、キャンセルや返品が多いことなどです。
クレジットカード
クレジットカードとは、お客様がクレジットカードで代金を支払う方法です。クレジットカードのメリットは、お客様の利便性が高いこと、売上の増加や回収のスピードが向上することなどです。クレジットカードのデメリットは、決済手数料が高いこと、不正利用やクレームのリスクがあることなどです。
電子マネー
電子マネーとは、お客様が電子マネーで代金を支払う方法です。電子マネーには、PayPayやLINE Pay、楽天ペイなどがあります。電子マネーのメリットは、お客様の利便性が高いこと、決済手数料が安いこと、キャッシュレス化の流れに乗れることなどです。電子マネーのデメリットは、導入や管理に技術や知識が必要なこと、不正利用やクレームのリスクがあることなどです。
決済の方法を決める際には、自分の商品やコンセプト、予算や目的、スキルや時間などを考慮して決めましょう。また、決済の方法を決めたら、お客様に決済方法や手数料、返金ポリシーなどを明確に伝えましょう。また、決済後には、お客様に領収書や注文確認などを連絡しましょう。
7. ネットショップの宣伝や集客を行う
ネットショップのサイトや運用方法ができたら、次にネットショップの宣伝や集客を行います。宣伝や集客とは、ネットショップのサイトにお客様を誘導することです。宣伝や集客を行うには、以下の要素に注意しましょう。
SEO対策
SEO対策とは、検索エンジンで上位に表示されるようにするための対策のことです。SEO対策を行うことで、ネットショップのサイトの集客力を高めることができます。SEO対策を行うには、キーワードやタグ、メタデータなどの設定や、コンテンツの更新やリンクなどの工夫が必要です。SEO対策は、継続的に行うことが重要です。
SNSやブログ
SNSやブログとは、ネットショップのサイトや商品を紹介することができるウェブサイトのことです。SNSやブログを利用することで、ネットショップのサイトの認知度や信頼度を高めることができます。SNSやブログを利用するには、自分の商品やコンセプトに合ったSNSやブログを選び、定期的に投稿や更新を行うことが必要です。SNSやブログの例としては、TwitterやInstagram、FacebookなどのSNSや、Amebaやはてな、WordPressなどのブログがあります。
広告やPR
広告やPRとは、ネットショップのサイトや商品を有料や無料で宣伝することです。広告やPRを利用することで、ネットショップのサイトの集客力や売上を高めることができます。広告やPRを利用するには、自分の商品やコンセプトに合った広告やPRを選び、効果測定や改善を行うことが必要です。広告やPRの例としては、Google広告やFacebook広告などのオンライン広告や、雑誌やテレビなどのオフライン広告や、メルマガやプレスリリースなどのPRがあります。
宣伝や集客を行うには、自分の商品やコンセプト、予算や目的、スキルや時間などを考慮して決めましょう。また、宣伝や集客を行う際には、お客様のニーズや興味に合わせて、魅力的で分かりやすいメッセージを伝えましょう。また、宣伝や集客の効果を測定し、改善し続けましょう。
まとめ
ネット販売を個人で始めるには、様々な準備や対策が必要ですが、自分の商品やコンセプトに合わせて、最適な方法を選ぶことができます。ネット販売を個人で始めることで、自分の商品やサービスを多くのお客様に届けることができます。ネット販売を個人で始めることに興味がある方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。