イタチは可愛らしい見た目とは裏腹に、家や畑に住み着いてはさまざまな被害をもたらす害獣です。イタチの捕獲は法律で制限されているため、自分で駆除する場合は注意が必要です。この記事では、イタチの生態や撃退方法、注意点などを紹介します。
イタチの生態と被害
イタチはネコ目イタチ科イタチ属に分類される哺乳類で、日本にはニホンイタチとチョウセンイタチの2種類が生息しています。ニホンイタチは在来種で山地や河川敷に住んでいますが、チョウセンイタチは外来種で都市部の人家にも進出しています。チョウセンイタチは尾が長く、夏と冬で毛の色が変わります。
イタチは雑食性で、ネズミや鳥類、カエルや昆虫、果実などを食べます。イタチが家や畑に住み着くと、以下のような被害が発生します。
- 天井裏や床下で走り回る騒音
- 尿や糞の悪臭や寄生虫の発生
- 家畜やペットの食害
- 農作物の食害
- 貴重種や希少種の捕食による生態系の崩れ
イタチは夜行性で、3cmの隙間があれば入り込むことができます。また、泳ぎや木登りが得意で、垂直の壁も登ることができます。危険を感じると、肛門付近の臭腺から悪臭のある分泌物を放ちます。繁殖期は4〜5月で、6〜8月は子育てのため一定の巣穴で生活します。
イタチの撃退方法
イタチの捕獲は鳥獣保護法により禁止されていますが、自治体から許可があればニホンイタチのオスとチョウセンイタチのみ捕獲できます。また、狩猟期間内であれば自治体の許可がなくても捕獲できます。しかし、罠を仕掛ける際は、お住まいの自治体に確認しましょう。違反した場合は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が課せられます。
自分で駆除する場合は、イタチの習性を利用して家から追い出す方法がおすすめです。以下のような方法があります。
- イタチが嫌う臭いを発生させる
- 木酢液、クレゾール石鹸液、動物用忌避剤などをイタチの寝床や侵入経路に散布すると、イタチは嗅覚が発達しているために逃げ出します。ただし、臭いが消えるとまた戻ってくる可能性があるので、定期的に散布しましょう。
- イタチに強い光を当てる
- 人感センサーのライトやクリスマス用のイルミネーションなどをイタチの寝床に設置すると、夜行性のイタチは驚いて逃げ出します。光の当たる範囲にCDやホログラムシートをぶら下げると、光が乱反射し威嚇効果が高まります。
- イタチに超音波を発生させる
- 動物が嫌がる超音波を発生させる装置をイタチの寝床や侵入経路に設置すると、イタチは不快に感じて逃げ出します。ただし、イタチが超音波に慣れてしまうと効果がなくなることもあります。
イタチを追い出した後は、侵入経路となる穴や隙間を徹底的に塞ぐことが大切です。また、イタチの糞尿を掃除して、臭いを消しましょう。
イタチの撃退に関する注意点
イタチを撃退する際には、以下のような注意点があります。
- イタチは攻撃的で危険な動物なので、直接触れないようにしましょう。イタチに噛まれたり引っかかれたりすると、感染症や狂犬病のリスクがあります。
- イタチの毒薬や駆除剤は法律で禁止されています。イタチを殺すことは動物愛護法に違反する可能性があります。また、毒薬や駆除剤は他の動物や人にも危険です。
- イタチの天敵であるキツネやオオカミの尿を撒く方法は、イタチを撃退する効果があると言われていますが、科学的な根拠はありません。また、尿の臭いは人間にとっても不快です。
- イタチをバルサンで駆除する方法は、気密性の高い場所であれば効果がありますが、屋外では拡散してしまい効果が薄くなります。また、バルサンは火気厳禁の危険物なので、取り扱いには十分注意しましょう。
まとめ
イタチは家や畑に住み着いてはさまざまな被害をもたらす害獣です。イタチの捕獲は法律で制限されているため、自分で駆除する場合は注意が必要です。イタチの習性を利用して家から追い出す方法や、専門の駆除事業者に依頼する方法があります。イタチの被害に悩んでいる方は、この記事を参考にして、イタチを撃退しましょう。
