屋根裏にネズミやハクビシン、イタチなどの害獣が住み着いてしまったら、どう対処すればいいでしょうか。騒音や臭気などの被害を防ぐために、早急に駆除したいと思うでしょう。
しかし、駆除方法を間違えると、かえって危険になることもあります。特に、バルサンを使った駆除方法は屋根裏の害獣に効果がないどころか、危険が伴います。
では、燻煙剤のバルサンはなぜ屋根裏の害獣駆除に向かないのでしょうか。この記事では、屋根裏に住み着く害獣とバルサンの関係を徹底解説します。屋根裏の害獣駆除に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
バルサンとは何か?
バルサンとは、煙やガスを発生させて害虫を殺す殺虫剤です。主にゴキブリやノミなどの小さな昆虫に対して使われますが、屋根裏に住み着いたネズミやハクビシンなどの害獣にも効果があると思っている方もいるようです。
しかし、実際にはバルサンで害獣を駆除することはほとんどできません。それどころか、バルサンを使うことで自分や家族、ペットに危害を及ぼす可能性があります。
バルサンの効果と危険性
バルサンは白煙や青色のガスを発生させますが、煙やガスに含まれる成分が害虫の神経系や呼吸器に作用して死滅させます。しかし、この煙やガスは人間やペットにも有害です。目や皮膚の刺激だけでなく、吸引すると咳や喘息などの呼吸器障害を引き起こすこともあります。
動物に対する殺傷能力は未検証
バルサンは殺虫剤として販売されており、動物に対する殺傷能力は未検証です。つまり、バルサンが発生させる煙やガスが動物の体にどのような影響を与えるかは分かっておらず、バルサンが屋根裏の害獣に効果があるということは断言できません。
実際に、バルサンを使っても害獣が死ぬことはほとんどないという報告があります。害獣は人間や昆虫よりも体が大きく、呼吸器や皮膚の構造もことなるため、バルサンの成分に対して耐性がある可能性があります。
密閉空間でなければ効果が薄い
バルサンの効果は密閉空間でなければ薄くなります。つまり、バルサンの煙やガスが屋根裏の害獣に十分な濃度で届かない可能性があるといえるでしょう。
また、屋根裏は通気口や隙間などから外気とつながっている場合が多く、煙やガスが家の中や近隣に流れ出てしまう可能性もあります。これは、人間やペットの健康にも悪影響を及ぼすだけでなく、近隣トラブルの原因にもなりかねません。
火気と反応して爆発や火災の原因になる
バルサンは火気厳禁で使わなければなりません。これは、バルサンが発生させる煙やガスが非常に可燃性が高く、火気と接触すると爆発や火災の原因になるからです。
屋根裏には電線や断熱材などの可燃物が設置されていることが多く、バルサンの煙やガスが触れると、ショートや発火を引き起こす可能性があります。実際に、バルサンを使って屋根裏から出火したり爆発したりする事例も報告されているため、屋根裏での使用は控えるのが最適です。
屋根裏に出やすい害獣の種類
屋根裏は、さまざまな害獣にとって適した隠れ家や巣作りの場となります。これにはさまざまな理由が考えられますが、主に食物や安全な巣、繁殖のための場所を求めてやってくる傾向があります。
以下に、屋根裏に出やすい害獣の主な種類をご紹介します。
ネズミ
ネズミは、屋根裏に出没することが多い害獣の一つです。食べ物を求めて建物に入り込み、屋根裏を含むさまざまな場所で巣を作ることがあります。
ネズミは非常に適応力が高く、小さな隙間からでも侵入してしまうため、早期の対策が重要です。ネズミは電線や断熱材などを噛んで損傷させたり、糞尿や毛などで衛生上の問題を引き起こしたりします。また、ネズミは病原菌や寄生虫を媒介することもあります。
ハクビシン
ハクビシンは、屋根裏に住み着くことがある動物です。食物を求めて農地や庭に現れ、屋根裏の断熱材や構造材を噛みちぎって巣を作ることがあります。ハクビシンは体が大きく、騒音や臭気などの被害を引き起こすことがあります。また、ハクビシンは狂犬病やエキノコックスなどの感染症のリスクもあります。
イタチ
イタチは、屋根裏に住み着くことがある動物です。食物を求めて鳥やネズミなどの小動物を捕食し、屋根裏の断熱材や構造材を噛んだり引き裂いたりして巣を作ることがあります。
イタチは非常に敏捷で、小さな隙間からでも侵入してしまうため、早期の対策が重要です。イタチは騒音や臭気などの被害を引き起こすことがあります。また、イタチは狂犬病やエキノコックスなどの感染症のリスクもあります。
屋根裏の害獣駆除の方法
屋根裏の害獣駆除には、さまざまな方法がありますが、バルサンはおすすめできません。バルサンは害獣に効果がないどころか、自分や家族、ペットに危陳を及ぼす可能性があります。
では、どのような方法で屋根裏の害獣を駆除すればいいのでしょうか。以下に、代表的な方法をご紹介します。
罠や毒餌を使う
罠や毒餌を使う方法は、屋根裏の害獣駆除によく用いられる方法です。害獣の種類や状況に応じて、適切な罠や毒餌を選び、屋根裏に設置します。
罠や毒餌を使う方法のメリットは、害獣を直接捕獲したり殺したりできることです。しかし、罠や毒餌を使う方法には、以下のようなデメリットもあります。
- 罠や毒餌を設置するのに手間がかかる
- 罠や毒餌が害獣以外の動物や人間に触れると危険
- 罠や毒餌で死んだ害獣の処理が大変
- 罠や毒餌が害獣に効かない場合がある
防除ネットや金網を使う
防除ネットや金網を使う方法は、屋根裏の害獣駆除に効果的な方法です。害獣が侵入する可能性のある通気口や隙間などに、防除ネットや金網を設置します。
防除ネットや金網を使う方法のメリットは、害獣の侵入を防ぐことができることです。しかし、防除ネットや金網を使う方法には、以下のようなデメリットもあります。
- 防除ネットや金網を設置するのに手間がかかる
- 防除ネットや金網が害獣に破られる場合がある
- 防除ネットや金網を設置する前に、屋根裏の害獣を駆除する必要がある
専門業者に依頼する
専門業者に依頼する方法は、屋根裏の害獣駆除に最も確実な方法です。害獣の種類や状況に応じて、適切な駆除方法を選び、屋根裏の害獣を駆除します。
専門業者に依頼する方法のメリットは、害獣の駆除をプロに任せることができることです。しかし、専門業者に依頼する方法には、以下のようなデメリットもあります。
- 専門業者に依頼するのに費用がかかる
- 専門業者に依頼するのに予約が必要な場合がある
- 専門業者に依頼すると、自分の家の状況を知られることに抵抗がある場合がある
まとめ
屋根裏に住み着く害獣は、さまざまな被害やリスクを引き起こす可能性があります。屋根裏の害獣駆除には、罠や毒餌、防除ネットや金網、専門業者などの方法がありますが、バルサンはおすすめできません。バルサンは害獣に効果がないどころか、自分や家族、ペットに危陳を及ぼす可能性があります。
屋根裏の害獣駆除は、早期に対策することが重要です。自分で駆除するのが難しい場合は、専門業者に依頼するのが最善です。