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ヤマトシロアリの生態と見分け方、被害の実態と駆除方法を徹底解説!

ヤマトシロアリ

今回は、日本で最も被害件数の多いシロアリであるヤマトシロアリについて、その生態や見分け方、被害の実態や駆除方法などを詳しく解説します。シロアリの被害に悩んでいる方や、予防したい方はぜひ参考にしてください。

目次

ヤマトシロアリとは

ヤマトシロアリは、ゴキブリ目・ミゾガシラシロアリ科に分類されるシロアリの一種です。別名、チャノキシロアリとも呼ばれています。日本には22種類のシロアリが生息していますが、その中でもヤマトシロアリは分布範囲が非常に広く、北海道の北部を除く日本全国に生息しています。

ヤマトシロアリは、土壌生活種と呼ばれるシロアリの仲間で、地面の中での活動を主とします。湿潤な環境を好み、枯れ木や朽ち木、庭の枕木や植栽の木杭などを食べて巣を作ります。特に湿って腐りかけた木材を好む傾向があります。

シロアリは社会性昆虫で、集団を成して生活します。ヤマトシロアリのコロニーには、女王と王、副生殖虫、ニンフ、兵蟻、職蟻という5つの階級が存在し、それぞれが役割を分担しています。女王と王は生殖活動に専念し、副生殖虫は女王や王が死んだときに代わりになります。ニンフは新たな巣を作るために羽アリになります。兵蟻は巣の防衛を担当し、職蟻は餌の確保や巣の建築、卵や幼虫の世話などを行います。

ヤマトシロアリの女王は、寿命が短いという特徴があります。通常、シロアリの女王は長生きするのですが、ヤマトシロアリの女王は早い段階で副生殖虫を大量に生むことで、短期間で巨大なコロニーを作る戦略をとっています。副生殖虫は女王のクローンであり、女王が死んでもコロニーの存続が可能です。

ヤマトシロアリは、繁殖のために毎年4月~5月に羽アリを飛ばします。この時期に大量の羽アリを見かけたら、ヤマトシロアリの被害があると思って間違いありません。羽アリは日中の10時から12時頃に飛び立ち、パートナーを見つけて新たな巣を作ります。しかし、新しい巣を作れるのはごく一部の羽アリで、多くは鳥やクモなどの餌になってしまいます。

ヤマトシロアリの見分け方

シロアリの種類によって、被害の程度や駆除方法が異なります。そのため、シロアリの種類を見分けることはとても重要です。ヤマトシロアリとよく混同されるのが、イエシロアリというシロアリです。イエシロアリも土壌生活種で、ヤマトシロアリと似た生態を持っていますが、被害の広がりや駆除の難易度が高いという特徴があります。

ヤマトシロアリとイエシロアリを見分ける方法は、兵蟻や羽アリの形や色を見ることです。兵蟻は、巣の防衛を担当する階級で、頭部が大きく発達しています。ヤマトシロアリの兵蟻は、頭部が長方形で、顎が太く鋏状になっています。イエシロアリの兵蟻は、頭部が卵型で、顎が細く弱い印象です。

羽アリは、新たな巣を作るために飛び立つ階級で、体に羽がついています。ヤマトシロアリの羽アリは、全身が黒褐色で、胸部に黄色のラインが入っています。イエシロアリの羽アリは、全身が茶褐色で、他に特徴的な色はありません。

ヤマトシロアリの被害

ヤマトシロアリは、家屋の土台や柱、梁などの構造部材に被害を与える重大な害虫です。ヤマトシロアリの被害は、部分的で広がりが少ないという傾向がありますが、場合によっては家の二階部分まで食害が及ぶこともあります。

ヤマトシロアリの被害箇所は、湿気の多い場所や腐りかけた木材が多いです。例えば、雨漏りや水漏れのある場所、床下や外壁の隙間に入り込んだ朽ち木や枯れ草などです。ヤマトシロアリは、乾燥に弱く、水を運ぶことができないため、水分や湿度のある場所に巣を作ります。

ヤマトシロアリの被害痕の特徴は、網目状に掘られた巣穴や、木材の表面に残された薄い膜です。ヤマトシロアリは、木材の内部を食べて巣を作りますが、木材の表面は残しておきます。そのため、木材の表面には被害が見えにくいですが、軽く叩くと空洞の音がします。また、木材の外に巣の入り口に土の塊を作ります。

ヤマトシロアリの駆除方法

ヤマトシロアリの駆除方法には、いくつかの種類があります。

一般的には、液剤による防除施工(バリア工法)や、巣の根絶を目的としたベイト工法が有効です。

液剤による防除施工は、シロアリが侵入しやすい土壌や木材に殺虫剤を散布することで、シロアリの進入を防ぐ方法です。この方法は、シロアリの被害が発生する前に予防的に行うのがおすすめです。

ベイト工法は、シロアリに毒餌を食べさせて、巣に持ち帰らせることで、シロアリのコロニーを全滅させる方法です。この方法は、シロアリの被害が発生した後に対策として行うのが効果的です。

また、自分で駆除する方法としては、掃除機やコロコロ、粘着シートなどを使って、羽アリを捕まえたり、被害箇所にドリルで穴を開けて薬剤を注ぐ方法などがあります。ただし、これらの方法は完全に駆除するのは難しいので、プロに任せるのが安心です。

まとめ

ヤマトシロアリの被害は、一見すると軽微に見えることがありますが、放置しておくと重大な問題に発展する可能性があります。シロアリの被害は、木材の強度を低下させるだけでなく、建物の傾きやひび割れ、雨漏りやカビの発生など、さまざまなトラブルを引き起こす原因になります。

また、シロアリは木材だけでなく、紙や布、プラスチックなども食べることがあります。家具や書類、衣類などの貴重品にも被害が及ぶことがあります。

シロアリの被害は、早期発見・早期対策がとても重要です。シロアリの被害に気づいたら、すぐに専門家に相談しましょう。

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