シロアリは木造住宅の大敵です。シロアリに食べられた木材は強度が低下し、建物の寿命を縮めるだけでなく、倒壊の危険性もあります。シロアリの被害に遭ってしまったら、どのように対処すべきなのでしょうか? リフォームは必要なのでしょうか? また、リフォームにかかる費用はどのくらいなのでしょうか?今回は、シロアリ被害に遭ったお家のリフォームについて、費用や注意点を解説します。
シロアリ被害に遭ったらやるべきこと
シロアリ被害に遭ってしまったら、まずはシロアリ駆除業者に連絡しましょう。シロアリ駆除業者は、シロアリの種類や被害状況を調査し、適切な駆除方法を提案してくれます。シロアリ駆除の方法には、ベイト工法やバリア工法などがありますが、それぞれにメリットやデメリットがありますので、業者の説明をよく聞いて、自分の家に合った方法を選びましょう。
シロアリ駆除の費用は、駆除方法や被害面積によって異なりますが、一般的には1坪あたり1万円前後が相場です。シロアリ駆除の費用は、リフォーム費用とは別にかかりますので、注意しましょう。
シロアリ駆除が完了したら、次に被害部分の修繕やリフォームを検討しましょう。シロアリに食害された木材は、見た目には問題なくても、内部が空洞になっていたり、もろくなっていたりする可能性があります。そのまま放置しておくと、建物の強度や耐震性に影響が出る恐れがあります。また、シロアリが再発するリスクも高くなります。そのため、被害部分の修繕やリフォームは必要です。
シロアリ被害のリフォーム費用はどのくらいかかる?
シロアリ被害のリフォーム費用は、被害の程度や修繕の範囲によって大きく異なります。一概には言えませんが、以下のような目安があります。
- 床下の一部だけ補修する場合:約50万円
- 床を作り直す場合:約300万円
- 基礎や柱などを補強する場合:約500万円
これらの費用は、あくまで平均的なものであり、実際には業者や地域によって異なります。また、リフォームの内容や仕様によっても変わります。正確な費用は、業者に見積もりを依頼して確認する必要があります。
シロアリ被害のリフォーム費用は、住宅ローン控除や住宅リフォーム補助金などの制度を利用することで、一部減税や補助を受けることができます。詳しくは、国や自治体のホームページを確認しましょう。ただし、シロアリ被害は火災保険の対象外ですので、保険金を受け取ることはできません。
シロアリ被害のリフォームの注意点は?
シロアリ被害のリフォームをおこなう際には、以下の点に注意しましょう。
- 駆除とリフォームを同時におこなう
- 床下点検口を塞がない
- 床高を低くしない
- 床下を配管でふさがない
- 増築した部分にも防蟻処理をする
それぞれの注意点について詳しく解説します。
駆除とリフォームを同時におこなう
シロアリ被害のリフォームは、駆除と同時におこなうのがおすすめです。駆除とリフォームを別々におこなうと、以下のようなデメリットがあります。
- 複数の業者と連絡を取り合う手間がかかる
- 費用が割高になる
- 再発防止ができない
駆除とリフォームを同時におこなえば、以下のようなメリットがあります。
- 一括で見積もりや工事ができる
- 費用が抑えられる
- 再発予防を考えたリフォームができる
シロアリの生態や被害状況に詳しい専門業者に依頼すれば、安心して任せることができます。
床下点検口を塞がない
床下点検口は、床下の状態を確認したり、シロアリの駆除や防蟻処理をおこなったりするために必要なものです。しかし、床下点検口は見た目が悪いと感じる人もいるかもしれません。リフォームを機に床下点検口をなくしてしまうという選択肢もあるでしょう。
しかし、床下点検口をなくしてしまうと、その後の床下の点検や調査がおこなえなくなります。万が一シロアリが再発したり、水道管から水漏れが発生したりしても、床下点検口がなければ状況調査や確認、対策が一切できません。そのため、リフォームの際は床下点検口を塞がないようにしましょう。
床高を低くしない
床下の高さは、シロアリの発生や床下の湿気に影響します。床下の高さが低いと、シロアリが侵入しやすくなります。また、床下の通気性が悪くなり、湿気がこもってカビや腐朽の原因になります。そのため、リフォームの際は床高を低くしないようにしましょう。
床高を低くすると、床下の空間が狭くなります。床下の空間が狭くなると、以下のようなデメリットがあります。
- 床下の点検やメンテナンスが困難になる
- 床下の断熱効果が低下する
- 床下の配管や配線の変更ができなくなる
床高を低くしないと、以下のようなメリットがあります。
- 床下の点検やメンテナンスが容易になる
- 床下の断熱効果が向上する
- 床下の配管や配線の変更が可能になる
床高を低くすることで、床面積を広くしたり、天井高を高くしたりすることができますが、それ以上にデメリットの方が大きいと言えます。床高を低くしないことで、床下の環境を良好に保ち、シロアリ被害の予防や再発防止につながります。
床下を配管でふさがない
床下には、水道管やガス管、電気配線などが通っています。これらの配管や配線は、床下の空間を占有し、通気性や断熱性を低下させます。また、配管や配線がシロアリの通路になることもあります。そのため、リフォームの際は床下を配管でふさがないようにしましょう。
床下を配管でふさがないと、以下のようなメリットがあります。
- 床下の通気性や断熱性が向上する
- 床下の点検やメンテナンスが容易になる
- シロアリの侵入や移動を防ぐことができる
床下を配管でふさがないためには、以下のような方法があります。
- 配管や配線を壁や天井に移動させる
- 配管や配線を床下の中央に集約させる
- 配管や配線に防蟻処理をする
これらの方法は、工事の規模や費用によって異なりますが、床下の状態を改善することができます。
増築した部分にも防蟻処理をする
シロアリ被害のリフォームを機に、増築や改築をおこなうこともあるでしょう。増築や改築をおこなう場合は、新しく建てた部分にも防蟻処理をおこなうことが必要です。防蟻処理とは、シロアリが侵入しにくくするために、木材や土台に薬剤を塗布したり、金属やプラスチックなどの物理的な障壁を設置したりすることです。
防蟻処理をおこなうと、以下のようなメリットがあります。
- シロアリの侵入や被害を予防することができる
- 建物の寿命や耐震性を向上させることができる
- リフォームの費用を節約することができる
防蟻処理をおこなわないと、以下のようなデメリットがあります。
- シロアリの侵入や被害に遭う可能性が高くなる
- 建物の寿命や耐震性が低下する可能性がある
- リフォームの費用が増加する可能性がある
防蟻処理は、リフォームの際におこなうのが最も効果的です。既存の部分にも防蟻処理をおこなうことで、より安心して暮らすことができます。
まとめ
シロアリ被害に遭ってしまったら、駆除とリフォームを同時におこなうことがおすすめです。リフォームの際は、床下点検口を塞がない、床高を低くしない、床下を配管でふさがない、増築した部分にも防蟻処理をするという点に注意しましょう。これらの注意点を守れば、シロアリ被害の予防や再発防止につながります。
シロアリ被害のリフォーム費用は、被害の程度や修繕の範囲によって異なりますが、住宅ローン控除や住宅リフォーム補助金などの制度を利用することで、一部減税や補助を受けることができます。シロアリ被害は火災保険の対象外ですので、保険金を受け取ることはできません。
シロアリ被害に遭ったお家のリフォームについて、費用や注意点を解説しました。シロアリ被害は、見た目だけで判断することはできません。定期的に床下の点検をおこない、シロアリの発生や被害の兆候を見逃さないようにしましょう。シロアリ被害に遭ってしまったら、早めに専門業者に相談し、適切な駆除とリフォームをおこないましょう。