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シロアリがいなくなったと思っても安心しないで! シロアリの生態と駆除方法を知ろう!

シロアリ いなくなった

シロアリは木材を食べる害虫で、家屋に大きな被害を与えることがあります。しかし、シロアリは一度見かけたとしても、しばらくすると姿が見えなくなることがあります。その場合、シロアリは自然にいなくなったのでしょうか? それとも、まだどこかに潜んでいるのでしょうか?

この記事では、シロアリがいなくなったと思っても安心してはいけない理由や、シロアリの生態と活動時期、シロアリの駆除方法について解説していきます。

目次

シロアリがいなくなったと思っても安心してはいけない理由

シロアリは、基本的に一度巣を作った場所から自然にいなくなることはありません。多くの場合は羽アリの活動時期が過ぎ、目につく場所に現れなくなっただけなのです。普段は目に見えなくても、家の中や周辺に作った巣の中に生息しています。

シロアリは家の中の木材を食べて被害を及ぼします。シロアリによる被害は、床がきしむ、ドアや襖の建て付けが悪くなる、壁や柱を叩くと空洞音がするなどの症状が現れます。そのまま放置しておくと、家の強度や耐震性が低下し、最悪の場合は倒壊する恐れがあります。

また、シロアリは木材だけではなく、ゴムやプラスチック、衣類や発泡スチロールなども食べてしまいます。シロアリの強力な顎はコンクリートにも穴を開けてしまうほどです。そのため、「そんなに居ないし平気」「コンクリートの建物だし大丈夫」という考えは捨てましょう。

シロアリの生態と活動時期

シロアリには決まった活動時期がなく、基本的には1年中活動しています。ただし、巣の中で生活しているため、直接見かけることはありません。一方、羽アリは特定の時期になると飛来します。

シロアリの生態

シロアリには職アリ・兵アリ・ニンフ・羽アリ・女王アリなどの階級があり、組織を作って活動しています。職アリは巣作りや餌の調達、卵や幼虫の世話をし、兵アリは巣を外敵から守ります。ニンフは卵や幼虫の世話をし、羽アリの前段階の階級です。羽アリは新たな巣を作って繁殖を広めます。女王アリと王アリは巣の中で交尾や産卵をします。

職アリ・兵アリ・ニンフ・女王アリ・王アリは、床下や壁の中などに作った巣の中で活動しているため、人の目に触れることはほとんどありません。目に見える場所に現れるのは羽アリです。群飛と呼ばれる行動の時期(春先から初夏にかけて)にニンフから羽アリになった一群が、新しい場所を求め一斉に飛び立ちます。

またシロアリは冬眠しないため、1年中活動可能です。ただし、寒さに弱いため、気温が下がる冬は活動が鈍くなります。

活動時期

日本では、23種類程度のシロアリが生息していると言われています。このうち、国内の広い範囲で建物に被害を与える、ヤマトシロアリとイエシロアリの活動時期を見ていきましょう。

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シロアリの種類羽アリの発生が多い時期活動が活発になる温度発生が多い地域
ヤマトシロアリ4月~5月頃12度~30度くらい日本全国(北海道の一部を除く)
イエシロアリ6月~7月頃30度~35度くらい千葉から西の海岸線沿い・西日本・小笠原諸島など

ヤマトシロアリの羽アリは4月~5月に発生する

ヤマトシロアリの羽アリは4月下旬~5月の昼間に飛び立つことが多く、この時期に大量発生します。ヤマトシロアリは北海道北部を除く日本全国に生息しており、活動に適した温度は12度~30度程度です。湿った木材や段ボールを好み、木材の中に巣を作ります。高温多湿な環境を好むため、床下や水回りに巣を作ることが多いです。直射日光や乾燥を防ぐために「蟻道」と呼ばれるトンネルを作り、より湿った場所を探して移動することもあります。

イエシロアリの羽アリは6月~7月に発生する

イエシロアリは本州南岸以南の沿岸部や南西諸島、小笠原諸島など、温暖な地域に生息しており、羽アリは6月~7月の夕方から夜にかけて飛び立つことが多いです。イエシロアリはヤマトシロアリに比べて寒さに弱く、30度~35度程度で活動が活発になります。ただし、冬場でも6度以上あれば活動自体は可能です。ヤマトシロアリと違い、自分で水分を運ぶことができ、乾燥した木材を湿らせて食べます。また、巣からの行動範囲が広いため、どこにでも巣を作る可能性があります。本巣と分巣を合わせた行動範囲は半径100メートルに及ぶことも珍しくありません。

イエシロアリの羽アリは、日没後に光に誘われて飛び立ちます。そのため、夜間に窓や照明に羽アリが集まることがあります。また、雨上がりや湿度が高い日に飛び立つことが多いです。飛び立った羽アリは、新しい巣を作るために交尾をします。交尾後、オスは死に、メスは翅を落として土中に潜ります。メスは女王アリとなり、オスの精子を貯めておいて、一生にわたって卵を産み続けます。一方、飛び立たなかった羽アリは、本巣に戻ってニンフになります。ニンフは職アリや兵アリになる可能性があります。

イエシロアリの羽アリは、ヤマトシロアリの羽アリと比べて、体が小さく、色が黒っぽいです。また、翅の長さが体の長さとほぼ同じで、翅の先端が丸いです。ヤマトシロアリの羽アリは、体が大きく、色が赤っぽいです。また、翅の長さが体の長さの2倍ほどで、翅の先端が尖っています。

シロアリの駆除方法

シロアリは自然にいなくなることはなく、そのまま放置しておくと住宅がダメージを受け続けることになります。 代表的なシロアリ駆除の仕方は主に毒エサを使うベイト工法と、木材に薬剤を注入するバリア工法の2つです。

ベイト工法のやり方

ベイト工法に使用するベイト剤(毒エサ)とステーション(容器)はそれぞれホームセンターなどで購入することが可能です。 専用のベイト剤はシロアリに対して効果を発揮するため、お子様やペットがいる場合でも安心して使用することができます。

使い方としては、まずベイト剤をステーションにセットしておきます。 次に建物の基礎から20~30cm離れた場所に穴を掘って、そこにステーションを埋めます。 木部に設置する際は粘着テープで固定します。

設置して1か月後にステーションを調べ、シロアリがいたら駆除中の証拠です。 再びステーションを確認し、生きているシロアリがいなくなったら駆除は完了です。

バリア工法のやり方

床下や壁など、シロアリが潜んでいる場所に穴を開けて薬剤を注入する方法です。 ただ、家屋に直接薬剤を散布するため、小さいお子さんやペットがいるご家庭ですと健康被害のリスクがありますので、使用の際は注意が必要です。

やり方としては、まずシロアリ被害があった箇所にドリルで10mmほどの穴を開けて、薬剤を注入します。 穴を開けた箇所の表面にもムラ無く薬剤を散布します。

木部の処理が終わった後は、地表面にも薬剤を散布しておきましょう。 シロアリは家の下の土壌から侵入してくるので、束石や基礎周辺は徹底的に薬剤処理してください。

シロアリの予防方法

シロアリの駆除をした後は、再発しないように予防することが大切です。 シロアリの予防方法としては、次のようなことが挙げられます。

  • 家の周りに木材や段ボールなどのシロアリの餌になるものを置かない
  • 床下や水回りなどの湿気をこまめにチェックし、乾燥させる
  • 家の中の木材に防蟻剤を塗る
  • 家の外壁や基礎に防蟻シートを貼る
  • 定期的にシロアリの点検を行う

まとめ

シロアリは自然にいなくなることはなく、放置しておくと大きな被害をもたらします。 一度でもシロアリを見かけたら、早めに駆除を行い、予防策を施しましょう。 シロアリの駆除や予防には専門の業者に依頼するのがおすすめです。

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