シロアリは、木材を食べる害虫として知られていますが、実はシロアリにもさまざまな種類があります。シロアリの種類によって、大きさや見た目、生息地域や被害の特徴などが異なります。この記事では、シロアリの種類と見分け方について、詳しく解説していきます。
シロアリの種類と見分け方
日本には約24種類のシロアリが生息していますが、その中でも住宅に被害をもたらすのは主に以下の3種類です。
- ヤマトシロアリ
- イエシロアリ
- アメリカカンザイシロアリ
それぞれの特徴と見分け方を見ていきましょう。
ヤマトシロアリ
ヤマトシロアリは、北海道北部を除く全国各地に生息しているシロアリで、日本で最も被害の多いシロアリです。乾燥や日光に弱く、地上に姿を現すことはほとんどありませんが、4月下旬~5月頃になると、新たな巣作りに向けて羽アリが地上に姿を現します。
ヤマトシロアリは、王アリや女王アリを頂点に階級がわかれており、それぞれ役割や見た目などが異なります。以下の表に主な階級と特徴をまとめました。
主な役割 | 大きさ | 色 |
---|---|---|
王アリ・女王アリ | 生殖活動 | 大きいもので15ミリ以上 |
働きアリ | エサの確保・巣作り | 3.5~6.0ミリ |
兵アリ | 外敵からの防衛 | 3.5~6.0ミリ |
羽アリ | 新しい巣を探す | 4.5~7.5ミリ |
ヤマトシロアリの巣は、大きいもので直径1メートル以上に及ぶこともあります。巣の中に生息する個体数は数万~十数万匹にも及びます。ヤマトシロアリは、水分を多く含んだキッチンや浴室などの水回りに使用されている木材の中などに巣を作ります。
イエシロアリ
イエシロアリは、本州南岸以南の沿岸部に沿った温かい地域に生息しているシロアリで、日本では一部の地域にしか生息していませんが、個体数が多いので被害が大きくなりやすいのが特徴です。ヤマトシロアリと同様に、イエシロアリも王アリや女王アリを頂点に階級がわかれており、それぞれ役割や見た目などが異なります。以下の表に主な階級と特徴をまとめました。
主な役割 | 大きさ | 色 |
---|---|---|
王アリ・女王アリ | 生殖活動 | 大きいもので40ミリ |
働きアリ | エサの確保・巣作り | 7.4~9.4ミリ |
兵アリ | 外敵からの防衛 | 7.4~9.4ミリ |
羽アリ | 新しい巣を探す | 7.4~9.4ミリ |
イエシロアリは地中に巨大な球形の本巣を作り、本巣とエサがある場所の間に分巣を作る習性があります。巣の大きさは本巣と分巣を含め、最大半径100メートルになることもあります。イエシロアリは湿った木材を食べますが、水分を運ぶ能力が高いため、家の木部全体が被害の対象になります。また、1つの集団の規模が最大百万匹にもなるため、被害が大きくなりやすく、最悪の場合家を建て替える必要が出てくることもあります。
アメリカカンザイシロアリ
アメリカカンザイシロアリは、日本には比較的最近侵入した外来種のシロアリで、関西地方を中心に分布しています。アメリカカンザイシロアリは、木材だけでなく紙や布なども食べるため、家具や書籍なども被害に遭う可能性があります。アメリカカンザイシロアリも王アリや女王アリを頂点に階級がわかれており、それぞれ役割や見た目などが異なります。以下の表に主な階級と特徴をまとめました。
主な役割 | 大きさ | 色 |
---|---|---|
王アリ・女王アリ | 生殖活動 | 大きいもので10ミリ |
働きアリ | エサの確保・巣作り | 3.0~4.5ミリ |
兵アリ | 外敵からの防衛 | 3.0~4.5ミリ |
羽アリ | 新しい巣を探す | 3.0~4.5ミリ |
アメリカカンザイシロアリは、木材の中に巣を作ることが多く、巣の大きさは直径30センチ程度です。アメリカカンザイシロアリは、木材の中に蟻道を作って移動するため、木材の表面には被害の跡が見えにくいのが特徴です。しかし、木材の中には空洞ができており、木材の強度が低下しています。アメリカカンザイシロアリの被害を発見するには、木材を叩いて音や反響を確認する方法が有効です。
シロアリの被害を防ぐには
シロアリの被害を防ぐには、以下のような対策が必要です。
- 家の周りに木材や紙などのシロアリのエサになるものを置かない
- 家の中や外の水回りの水漏れや湿気を防ぐ
- 家の基礎や柱などの木部にシロアリ防除剤を塗布する
- 定期的にシロアリの専門業者に点検や駆除を依頼する
まとめ
シロアリは、見た目が小さいだけでなく、被害の進行も目に見えにくいため、気づかないうちに大きな被害になってしまうことがあります。シロアリの被害に遭わないためには、予防と早期発見が重要です。シロアリの被害に関する疑問や相談があれば、お気軽にシロアリの専門業者にご連絡ください。