アブラムシは、植物の栄養を吸い取って弱らせるだけでなく、すす病や縮葉病などの病気を引き起こす害虫です。特に、野菜や果樹などの収穫前に大量発生すると、大きな被害に遭うことがあります。そこで、アブラムシ対策として無農薬で駆除・予防する方法をご紹介します。
アブラムシが大量発生する原因と特徴
アブラムシは、メスだけで産卵が可能で毎日卵を産み、10日ほどで成虫になったメスが更に毎日卵を生むという性質をもっています。この繁殖力の高さがアブラムシの特徴です。また、アブラムシは光や温度に敏感で、暗くて涼しい場所や湿度の高い場所が好みです。そのため、日当たりや風通しが悪い場所や水はけの悪い場所では発生しやすくなります。
アブラムシ対策として無農薬で駆除・予防する方法
無農薬でで駆除・予防する方法は以下の通りです。
1. アブラムシの天敵をそばに置く
自然界は弱肉強食の世界です。アブラムシがが植物を食べるようにてんとう虫はアブラムシを捕食します。テントウムシやコナジラミなどはアブラムシの天敵として有効です。テントウムシやコナジラミをそばに置くことで、彼らがアブラムシを食べてくれるように誘導します。
2. アブラムシの共存相手のアリを駆除する
アリもアブラムシと同じようにに植物から栄養分を吸います。また、甘い排泄物からエサにされることもあります。そのため、アリもアブラムシと一緒に存在することが多くあります。もし見つかったら、早めに駆除しましょう。
3. 牛乳スプレーを散布する
牛乳スプレーは農薬ではありませんが、効果的な無農薬対策法です。牛乳中に含まれるタンパク質が粘着性が高く、水分も多いため、アブラムシの気門を塞いで窒息させたり、圧死させたりします。牛乳スプレーは直接かけるだけで十分です。ただし、使用後は必ず洗剤で洗ってください。牛乳スプレーの作り方と使い方は以下の通りです。
- 植物の水やりを控えて乾燥させておく
- 霧吹きの容器に牛乳を入れる(水で薄めない)
- アブラムシや植物全体にまんべんなく噴きかける
- 日当たりと風通しのよい場所に移す
- 牛乳が乾燥するのを待つ(30分~2時間)
- 水を入れた霧吹きやジョウロなどで牛乳を洗い流す
牛乳スプレーを使うときの注意点は以下の通りです。
- 牛乳が乾くまでの臭いが気になる
- 洗い流しづらい
- 腐敗やカビの原因になる
牛乳スプレーを使うときは、臭いやカビの発生に注意してください。また、植物の種類や状態によっては、葉焼けや枯れなどの副作用が起こる可能性があるので、注意が必要です。まずは小さな範囲で試してから、全体に散布しましょう。
4. 紙テープでペタペタ取り除く
紙テープや市販のクラフトテープなどを使って、直接アブラムシを取り除く方法です。紙テープは粘着力が弱いため、植物の葉に傷をつける心配が少ないです。ただし、葉が薄いものや小さいものは注意が必要です。紙テープでペタペタとアブラムシを貼り付けたものは処分しましょう。この方法は、アブラムシが少量の場合や、他の方法が使えない場合に有効です。
5. 木酢液を散布する
木酢液は、木材を炭化させる際に発生する液体で、有機酸やフェノールなどの成分が含まれています。これらの成分は、アブラムシの呼吸器や消化器に刺激を与えて駆除する効果があります。また、木酢液は植物の免疫力を高める効果もあります。
木酢液は、水で10倍から20倍に薄めて散布します。ただし、植物の種類や状態によっては、葉焼けや枯れなどの副作用が起こる可能性があるので、注意が必要です。まずは小さな範囲で試してから、全体に散布しましょう。
6. ニームオイルを散布する
ニームオイルは、インド原産のニームという樹木の種子から抽出される油で、アブラムシやカイガラムシなどの害虫に対して殺虫効果があります。ニームオイルに含まれるアザディラクチンという成分は、害虫の成長を阻害したり、食欲を減退させたり、産卵を妨害したりします。
ニームオイルは、水と液体石鹸で10倍から20倍に薄めて散布します。散布後は、日光に当たらないようにします。ニームオイルは、人や動物に対しては無害ですが、蜜蜂や蝶などの益虫にも影響を与える可能性があるので、注意が必要です。
まとめ
今回は、アブラムシ対策として無農薬で駆除・予防する方法を6つご紹介しました。アブラムシは、早めに発見して対処することが大切です。無農薬で駆除・予防する方法を試してみてください。