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ヒラタキクイムシの駆除は難しい? 生態と特徴、駆除方法と予防対策を紹介!

ヒラタキクイムシ 駆除

フローリングや家具に小さな穴が開いているのを見つけたことはありませんか? もしそうなら、それはヒラタキクイムシという害虫の仕業かもしれません。ヒラタキクイムシは木材を食べて育つ虫で、家の中に侵入するとなかなか駆除するのが難しいです。放っておくと、木材の強度が低下したり、見た目が損なわれたりする可能性があります。そこで、この記事ではヒラタキクイムシの生態と特徴、駆除方法と予防対策についてご紹介します。

目次

ヒラタキクイムシの生態と特徴

ヒラタキクイムシはコウチュウ目キクイムシ科に属する昆虫で、日本全国に分布しています。体長は3~8mmほどで、赤褐色から暗褐色をしています。顎が強く、木材を食べることができます。成虫になってからの寿命は3~5週間程度で、この間に交尾と産卵を行います。

ヒラタキクイムシの一生は、卵→幼虫→蛹→成虫の順に変態します。卵は木材の導管や師管と呼ばれる水を通す穴に産みつけられます。幼虫は約10か月間、木材の内部を食べて育ちます。蛹は8~20日で成虫になり、羽化後2日ほどで穴を開けて外に出てきます。成虫は夜行性で、日中は木材の裂け目や穴に潜んでいます。

ヒラタキクイムシは広葉樹の木材を好んで食べます。特にラワン材、ナラ、ケヤキ、シオジ、タモ、キリなどのでんぷん質が多く含まれる木材が好物です。針葉樹の木材は導管が小さく、でんぷん質が少ないため、食害されにくいです。木材の中の水分が多すぎると生存できないため、乾燥した木材に発生しやすいです。

ヒラタキクイムシの駆除方法

ヒラタキクイムシの駆除方法としては、以下のようなものがあります。

  • キクイムシ専用のスプレー剤を穴に噴射する
  • 燻煙剤やエアゾール剤を室内に散布する
  • ライトトラップや粘着テープで成虫を捕獲する
  • 木材の表面を塗装したり、穴を木片で塞いだりする
  • 木材を高温処理したり、交換したりする

キクイムシ専用のスプレー剤は、ヒラタキクイムシコロリやエバーウッドなどが市販されています。これらは木材に空いた穴に直接噴射して駆除するタイプの殺虫剤で、殺虫成分が木材の内部に浸透して幼虫や蛹を殺します。殺虫剤の臭いが少なく、人体への安全性が高いものが多いです。ただし、木材の色が変わる可能性があるので、使用前に目立たない部分で試してみることをおすすめします。

燻煙剤やエアゾール剤は、室内に充満させて駆除するタイプの殺虫剤です。これらは成虫に対して効果的ですが、木材の内部にいる幼虫や蛹には届きにくいです。そのため、繰り返し使用する必要があります。また、換気をしないと有害なガスが残る可能性があるので、使用後は十分に換気をすることが重要です。

ライトトラップや粘着テープは、光や色に誘引される成虫を捕獲する方法です。これらは駆除というよりは、被害の状況を把握するためのモニタリングに役立ちます。また、捕獲した成虫の種類を確認することで、適切な駆除方法を選ぶことができます。

木材の表面を塗装したり、穴を木片で塞いだりする方法は、ヒラタキクイムシの侵入や産卵を防ぐための予防対策です。木材の表面を塗装すると、ヒラタキクイムシは産卵管を差し込めなくなります²。穴を木片で塞ぐと、ヒラタキクイムシは外に出られなくなります。ただし、これらの方法は木材の内部にいるヒラタキクイムシを駆除することはできません。

木材を高温処理したり、交換したりする方法は、ヒラタキクイムシの駆除には最も確実な方法ですが、費用や手間がかかるという欠点があります。高温処理とは、木材を60℃以上の温度に加熱することで、ヒラタキクイムシを死滅させる方法です。交換とは、被害の大きい木材を新しい木材に取り替える方法です²。これらの方法は、専門業者に依頼することが必要です。

ヒラタキクイムシの予防対策

ヒラタキクイムシの駆除は難しいので、できるだけ予防することが大切です。予防対策としては、以下のようなことができます 。

  • 木材の水分をコントロールする
  • ヒラタキクイムシの発生源を排除する
  • ヒラタキクイムシに対する抵抗性のある木材を使用する
  • ヒラタキクイムシの侵入を防ぐ

木材の水分をコントロールするというのは、木材の乾燥度を適切に保つということです。ヒラタキクイムシは木材の水分が10~20%の範囲で発生しやすいです。水分が多すぎると木材が腐ったり、カビが生えたりする可能性があります。水分が少なすぎると木材が乾燥して割れたり、収縮したりする可能性があります。そのため、木材の水分は15%前後に保つことが望ましいです。水分のコントロールには、以下のような方法があります。

  • 室内の湿度を調整する
  • 木材に防水処理を施す
  • 木材に通気性のある塗装をする
  • 木材に乾燥剤を入れる

室内の湿度を調整するというのは、エアコンや加湿器、除湿器などを使って、室内の湿度を適度に保つということです。室内の湿度が高すぎると、木材に水分が吸収されてヒラタキクイムシの発生条件になります。室内の湿度が低すぎると、木材に水分が失われて乾燥しやすくなります。そのため、室内の湿度は50~60%程度に保つことが望ましいです。

木材に防水処理を施すというのは、木材に防水剤や防腐剤を塗布するということです。これにより、木材に水分が浸透するのを防ぎ、ヒラタキクイムシの発生を抑えることができます。ただし、防水剤や防腐剤には有害な成分が含まれる場合があるので、使用する際には注意が必要です。また、防水剤や防腐剤は時間とともに効果が低下するので、定期的に塗り直すことが必要です。

木材に通気性のある塗装をするというのは、木材に呼吸性のある塗料を塗るということです。これにより、木材の水分の出入りを調整し、ヒラタキクイムシの発生を抑えることができます。通気性のある塗料には、ウレタン塗料やアクリル塗料などがあります。通気性のない塗料には、ニスやラッカーなどがあります。通気性のない塗料は、木材の水分の出入りを妨げるため、木材の乾燥や腐敗を招く可能性があります。

木材に乾燥剤を入れるというのは、木材にシリカゲルや活性炭などの乾燥剤を入れるということです。これにより、木材の水分を吸収し、ヒラタキクイムシの発生を抑えることができます。乾燥剤は、木材の穴や裂け目に入れたり、木材の近くに置いたりすることで効果を発揮します。乾燥剤は、水分を吸収すると色が変わったり、重さが増えたりするので、それを目安に交換することが必要です。

ヒラタキクイムシの発生源を排除するというのは、ヒラタキクイムシが発生しやすい木材や物品を処分するということです。ヒラタキクイムシは、庭や倉庫などに放置された木材や家具、紙類、植木鉢などに発生しやすいです。これらの物品は、ヒラタキクイムシの産卵場所や食料となり、家の中に侵入するきっかけとなります。そのため、これらの物品は定期的に点検し、ヒラタキクイムシの被害がある場合は、速やかに処分することが必要です。

ヒラタキクイムシに対する抵抗性のある木材を使用するというのは、ヒラタキクイムシが食べにくい木材を選ぶということです。ヒラタキクイムシは、広葉樹の木材を好んで食べますが、針葉樹の木材は食べにくいです。そのため、針葉樹の木材を使用することで、ヒラタキクイムシの発生を抑えることができます。針葉樹の木材には、ヒノキ、スギ、マツ、カラマツなどがあります。また、木材に人工的に抵抗性を付与する方法もあります。これには、木材にホルムアルデヒドやホウ酸などの防虫剤を含浸させる方法や、木材に高圧電流を流す方法などがあります。

ヒラタキクイムシの侵入を防ぐというのは、ヒラタキクイムシが家の中に入り込む隙間や穴をふさぐということです。ヒラタキクイムシは、窓やドア、換気口、配管などの隙間や穴から家の中に入り込むことがあります。そのため、これらの隙間や穴を、シーリング剤やコーキング剤、モルタルなどでふさぐことで、ヒラタキクイムシの侵入を防ぐことができます。また、窓やドアに網戸やモスキートネットをつけることも効果的です。これらは、ヒラタキクイムシだけでなく、他の害虫や花粉なども防ぐことができます。

まとめ

ヒラタキクイムシは、木材を食べて育つ害虫で、家の中に侵入するとなかなか駆除するのが難しいです。放っておくと、木材の強度が低下したり、見た目が損なわれたりする可能性があります。そこで、この記事ではヒラタキクイムシの生態と特徴、駆除方法と予防対策についてご紹介しました。ヒラタキクイムシの駆除方法には、スプレー剤や燻煙剤、ライトトラップなどがありますが、それぞれにメリットとデメリットがあります。ヒラタキクイムシの予防対策には、木材の水分をコントロールする、発生源を排除する、抵抗性のある木材を使用する、侵入を防ぐなどがありますが、それぞれに注意点があります。ヒラタキクイムシの被害に悩まされている方は、ぜひ参考にしてみてください。

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