今回は、AGA（男性型脱毛症）の治療について、年齢との関係に焦点を当てて解説したいと思います。AGAは、思春期以降に発症する可能性があり、年齢を重ねるほど発症率や進行度が高まります。しかし、治療には年齢制限があるのでしょうか？ また、年齢によって治療の効果や方法は変わるのでしょうか？ そんな疑問に答えていきます。
AGA治療は何歳から始められるの？
AGA治療は、原則として20歳以上から始められます。それは、AGAの治療に用いられる内服薬や外用薬の多くが、日本では20歳以上を対象として有効性や安全性の検証が行われているからです。特に、内服薬のフィナステリドやデュタステリドは、男性ホルモンの働きを抑制することでAGAの進行を防ぎますが、未成年には処方できないとされています。これらの薬は、未成熟な身体に悪影響を与える可能性があるからです。
しかし、20歳未満でもAGAに悩む人は少なくありません。実際に、薄毛が気になり始めた年齢についてのアンケートでは、2.5%ほどが10代で気になり始めたと回答しています。そんな場合は、どうすればいいのでしょうか？
まず、自分の髪の状態を客観的に見てみましょう。髪が細くなったり、生え際が後退したり、頭頂部や前頭部が薄くなったりしていないか確認してください。もし、AGAの兆候が見られるなら、早めに専門のクリニックに相談することをおすすめします。クリニックでは、医師の判断によって、18歳や19歳でも治療を始められる場合があります。ただし、治療には保護者の同意が必要になることが多いので、事前に相談しておくことが大切です。
また、クリニックでの治療が難しい場合でも、自分でできる対策はあります。例えば、以下のようなことを心がけてみましょう。
- 生活習慣を見直す。睡眠不足やストレスはホルモンバランスを乱し、薄毛の原因になります。規則正しい生活を送り、ストレスを溜めないようにしましょう。
- 食事を改善する。髪の毛の材料となるタンパク質やビタミン、ミネラルなどをバランスよく摂取しましょう。特に、亜鉛やビオチンは髪の毛に必要な栄養素です。
- 髪や頭皮のケアをする。洗髪は1日1回程度にし、頭皮に刺激を与えないように優しく洗いましょう。また、頭皮マッサージやブラッシングで血行を促進しましょう。整髪料やヘアドライヤーの使用は控えめにしましょう。
AGAになりやすい年齢は？
AGAは、思春期以降に発症する可能性がありますが、特になりやすい年齢はあるのでしょうか？実は、AGAの発症率は年齢とともに上昇していきます。日本皮膚科学会が作成したガイドラインによると、AGAの発症率は以下のようになっています²。
- 20代：約10%
- 30代：約20%
- 40代：約30%
- 50代以降：約40%
このように、年齢を重ねるほど、AGAになる可能性が高まることがわかります。しかし、発症率と気づきやすさは必ずしも一致しません。実際に、薄毛が気になり始めた年齢についてのアンケートでは、以下のような結果が出ています¹。
- 10代：2.5%
- 20代：17.9%
- 30代：34.8%
- 40代：28.4%
- 50代：11.6%
- 60代：4.8%
このように、気になり始める人が最も多いのは30代ということになります。これは、AGAが数年かけて徐々に進行するため、20代で発症してもすぐには気づかないことが多いからです。また、30代は仕事や家庭などでストレスが多くなることも影響しているかもしれません。
AGAの治療方法
AGAの治療方法は、大きく分けて3つあります。それぞれにメリットやデメリットがありますので、自分の症状や目的に合わせて選ぶことが大切です。
- 内服薬による治療：フィナステリドやデュタステリドなどの薬を服用することで、男性ホルモンの働きを抑制し、AGAの進行を防ぎます。効果は高いですが、副作用のリスクや費用がかかることがデメリットです。
- 外用薬による治療：ミノキシジルやアデノシンなどの薬を頭皮に塗布することで、毛髪の発育を促進します。内服薬よりも副作用のリスクは低いですが、効果は個人差が大きく、継続的な使用が必要です。
- 植毛による治療：自分の髪の毛や人工毛を頭皮に移植することで、髪のボリュームを増やします。即効性があり、自然な仕上がりになることがメリットです。しかし、費用が高く、手術のリスクや後遺症があることがデメリットです。
AGAの治療効果は年齢によって変わるの？
AGAの治療効果は、年齢によって変わるのでしょうか？一般的には、若いほど治療効果が高いと言われています。それは、以下の理由によります。
- 髪の毛の量や質が良い。若いほど、髪の毛の本数や太さが多く、健康な髪の毛が多いです。そのため、治療によって髪の毛の成分や構造が改善されやすく、髪の毛の再生や増加が期待できます。
- 髪の毛の周期が長い。髪の毛は、成長期、退行期、休止期という3つの周期を繰り返します。若いほど、成長期が長く、退行期や休止期が短いです。そのため、治療によって髪の毛の周期が正常化されやすく、髪の毛の成長が促進されます。
- 髪の毛の色が濃い。若いほど、髪の毛の色が濃く、メラニン色素が多いです。そのため、治療によって髪の毛の色が回復されやすく、髪の毛のボリュームやコントラストが向上します。
これらのことから、若いほど治療効果が高いと言えます。しかし、これはあくまで一般論であり、個人差があります。また、年齢が高くても、治療効果がないというわけではありません。重要なのは、早期に治療を始めることです。AGAは、放置すればするほど進行し、治療効果が低下します。そのため、薄毛に気づいたら、すぐにクリニックに相談しましょう。
まとめ
今回は、AGA治療と年齢の関係について解説しました。AGA治療は、20歳以上から始められますが、18歳や19歳でも医師の判断によって始められる場合があります。また、AGAは年齢とともに発症率や進行度が高まりますが、治療効果は若いほど高いと言われています。しかし、年齢に関係なく、早期に治療を始めることが大切です。薄毛に悩んでいる方は、ぜひクリニックに相談してみてください。
