T4Kとは、3歳から10歳くらいまでの子供に適した矯正方法です。
柔らかいマウスピースを日中1時間以上と就寝中に装着することで、顎の成長をサポートし、永久歯の萌出を正しい位置に導くという仕組みです。
T4Kは、出っ歯や叢生などの不正咬合に対応できる矯正方法です。
受け口や交差咬合などの場合は、ムーシールドという別のマウスピース型矯正装置が効果的です。
T4Kは、歯列矯正用咬合誘導装置(T4K トレーナー)という正式名称で呼ばれることもあります。
日本とシンガポールではT4Kという名前で知られていますが、世界的にはマイブレイスという名前で統一されつつあります。
T4Kの費用
T4Kは、保険が適用されない自由診療となるため、治療費用は全額負担しなければなりません。
クリニックによって治療費用が異なりますが、10万円以上が相場のようです。
T4Kの治療費用は、以下のように内訳されます。
トレーナーと検査料
およそ50,000円~80,000円。
トレーナーと検査料は、最初に一括で支払うことが多いです。
トレーナーは、ソフトタイプとハードタイプの2種類がありますが、どちらも同じ値段です。
検査料には、レントゲン撮影や口腔内写真の撮影、歯周検査、歯型取りなどが含まれます。
調整料・指導料
およそ2,000~3,000円(月1回)。
調整料・指導料は、定期健診のたびに支払うことになります。
治療の進行状況によっては、数ヶ月に一回来院することもあります。
調整料・指導料には、トレーナーのサイズや形の変更や装着方法の指導などが含まれます。
追加トレーナー
およそ10,000円(必要に応じて)。
追加トレーナーは、必要以上に噛んだり、乱暴に扱ったりすると壊れてしまうことがあります。
その場合は、交換料がかかります。また、歯並びや咬合の状態によっては、別のタイプのトレーナーを追加で使用することもあります。
T4Kは、治療期間が1~3年程度と比較的短く済むことが多いです。
その後は、必要に応じて第一期治療や第二期治療に移行することもあります。
その場合は、別途費用がかかります。
T4Kの治療期間
T4Kの治療期間は、個人差がありますが、平均して1~3年程度と比較的短く済むことが多いです。
治療期間は、以下のような要因によって変わります。
不正咬合の程度
不正咬合が重度であればあるほど、治療期間が長くなります。
T4Kは軽度から中度の不正咬合に対応できる矯正方法ですが、受け口や交差咬合などの場合は、ムーシールドやワイヤー矯正と併用することもあります。
装着時間と頻度
T4Kは日中1時間以上と就寝中に装着することが推奨されていますが、実際には装着時間や頻度が少なければ少ないほど、治療期間が長くなります。
装着時間や頻度は、自分の意志や家族のサポートによって左右されます。
顎の成長
T4Kは顎の成長をサポートすることで、永久歯の位置を正しく調整する仕組みです。
顎の成長は個人差がありますが、一般的には子供の方が早く成長します。
そのため、子供の方が治療期間が短くなる可能性があります。
T4Kのメリット
T4Kのメリットは、以下のようなものがあります。
痛みが少ない
これは子供にとって大きなメリットです。
従来の矯正方法では、ワイヤーやブラケットが歯や歯茎に当たって痛みや炎症を引き起こすことがありました。
また、定期的に調整する際にも痛みが伴うことが多かったです。
しかし、T4Kは柔らかい素材でできており、小さな力で少しずつ矯正するので、痛みや不快感が少なく済みます。
子供は痛みに敏感なので、この点は治療の成功率や継続性にも影響します。
装着時間が短い
これは子供の生活にも配慮したメリットです。
日中は1時間以上だけ装着すればよいので、学校や園に行くときは外せます。
また、見た目も目立たないので、周りの友達に気づかれる心配もありません。
従来の矯正方法では、装着したままでなければ効果が出なかったり、見た目が気になったりすることがありました。
しかし、T4Kは子供の心理的な負担を軽減することができます 。
早期治療が可能
これは子供の歯列矯正において重要なメリットです。
低年齢から治療を始められるので、永久歯を抜く必要がなくなったり、後々の治療が簡単になったりします。
永久歯を抜くことは、歯や顎の発育に悪影響を与えることがあります。
また、後々の治療では、顎の成長が止まってしまっているため、治療期間や費用が増えることもあります。
しかし、T4Kは顎の成長をサポートし、永久歯の萌出を正しい位置に導くことで、そのような問題を予防することができます 。
歯並びだけでなく、骨格や口腔機能も改善
これは子供の顔貌や健康にも関わるメリットです。
舌や唇の位置や動きを正しくすることで、口呼吸や指しゃぶりなどの悪い癖を改善し、顔貌や健康にも良い影響を与えます。
口呼吸や指しゃぶりは、顎や歯列の発育を妨げるだけでなく、アレルギーや風邪などの病気の原因にもなります。
また、舌や唇の機能は、発音や嚥下などにも関係します。
しかし、T4Kは口腔機能を正常化することで、そのような問題を解決することができます。
T4Kのデメリット
T4Kのデメリットは、以下のようなものがあります。
指示通りに装着しないと効果が出ない
これは子供の協力が必要なデメリットです。
取り外しが自由な分、子供が嫌がったり、自分で外してしまったりすることがあります。
その場合は、家族の見守りや励ましが必要です。
T4Kは日中1時間以上と就寝中に装着することが推奨されていますが、実際には子供の習慣や性格によっては、それが難しい場合もあります。
しかし、T4Kは装着時間が短ければ短いほど効果が低下することを覚えておいてください 。
マウスピースが壊れやすい
これは子供の扱い方に注意が必要なデメリットです。
素材が柔らかくて使いやすい反面、必要以上に噛んだり、乱暴に扱ったりすると壊れてしまうことがあります。
その場合は、交換料がかかります。
T4Kは定期的にサイズや形を変える必要がありますが、それ以外の理由で壊れた場合は、自己負担となります。
しかし、T4Kは正しく扱えば壊れることはありませんので、子供に優しく丁寧に扱うように教えてあげてください。
保険適用外
これは子供の歯列矯正において一般的なデメリットです。
T4Kは自由診療となるため、保険適用外です。
費用はクリニックによって異なりますが、10万円以上が相場です。
この費用は一括払いではなく、分割払いや月額制などの方法で支払うこともできます。
しかし、T4Kは早期治療を行うことで、後々の治療費や時間を節約することも可能です 。
まとめ
T4Kは、子供の歯列矯正において、根本的な原因から改善する治療方法です。
歯並びを整えるだけでなく、顔貌や健康にも良い影響を与えることが期待できます。
もし、お子さんの歯並びや口腔機能に気になる点があれば、T4Kについて詳しく説明してくれる矯正歯科医院に相談してみてください。