太陽光パネルは、自然エネルギーを利用して電気を発電する環境に優しい設備です。太陽光パネルを導入すると、光熱費の節約や売電収入などのメリットがありますが、一方で初期費用やメンテナンス費用などのデメリットもあります。
太陽光パネルを導入する際には、価格や性能、耐久性などを比較検討する必要があります。しかし、太陽光パネルの価格は、メーカーや製品によって大きく異なりますし、1枚あたりの価格だけではなく、設置費用や運用費用も考慮しなければなりません。
そこで、この記事では、太陽光パネルの価格について、1枚あたりの相場やメーカー別の比較、費用の見積もり方法などを詳しく解説します。太陽光パネルの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
太陽光パネルの1枚あたりの価格相場
太陽光パネルの1枚あたりの価格は、メーカーや製品によって異なりますが、おおよそ7万円から16万円程度です。価格が安価な太陽光パネルから、高額なパネルまで様々な商品がありますが、安すぎる太陽光パネルは短寿命の可能性があるので注意が必要です。
太陽光パネルの価格は、1枚あたりの発電出力が大きくなるにつれて価格が高くなる傾向にあります。太陽光パネルの1枚あたりの大きさは約1.5m×1mほどで、パネル1枚の発電出力はメーカーによって異なりますが、200W~300W程度となっています。
太陽光パネルの価格を比較するときは1kWあたりで
太陽光パネルの価格を比較するときは、1枚あたりの価格ではなく、1kWあたりの価格を見ましょう。この1kWあたりの価格のことを「kW単価」と呼び、製品比較の際によく使われます。kW単価は以下の式で計算します。
kW単価=設置費用総額÷パネルのkW数
1枚あたりの価格で比較すべきではない理由は、以下の項目によって金額差が生じるからです。
- メーカー
- 販売店
- サイズ
- 発電量
- 設置工事費
- 諸経費
つまり、「発電量が多いから金額が高い」とは限らないということです。同じ設置工事でもA社は安くB社は高い場合や、同じ発電量でもメーカーの違いによって割高になることがあり得ます。1kWあたりで計算して比較すれば、総費用と発電量のバランスを見て検討できるため、割高な設備を選択してしまうリスクを軽減できるでしょう。
太陽光パネルの導入費用の内訳
太陽光パネルだけでは発電できないため、導入する際はパワーコンディショナーや架台、工事費などトータルで考える必要があります。家庭用ソーラーパネルの導入費用の目安となる内訳は以下の通りです。
項目 | 初期費用額 (1kWあたり) |
---|---|
架台費 | 20,000円 |
パワーコンディショナ費 | 50,000円 |
工事費 | 70,000円 |
その他 | 3,000円 |
太陽光パネルの運用にかかる費用
家庭用ソーラーパネルを運用する際にも点検や保険などの費用がかかります。具体的なソーラーパネルの運用にかかる費用は以下の通りです。
項目 | 運用費用目安(1年あたり) |
---|---|
定期点検 | 7,000~8,000円 |
パワーコンディショナの電気代 | 2,500円 |
保険 | 5,000円 |
なお定期点検は4年に一度と推奨されているため、毎年おこなわなくても問題ありません。またパワーコンディショナの電気代は、月の支払いで計算すると大きな金額ではありません。
太陽光パネルの価格推移
住宅用ソーラーパネルの設置費用にはまとまった費用がかかることが多く、導入を躊躇してしまう人も多いでしょう。しかし、近年ソーラーパネルの価格相場は下がり続けており、導入を検討するなら今が狙い目とも考えられます。
2012年の費用平均値が1kWあたり46万円ほどでしたが、2022年には26万円と1kWあたり約20万円ほど導入費用が下がっています。
ソーラーパネルの価格や関連する費用は年々減少している傾向にあります。その主な理由は以下の通りです。
- メーカーの競争激化によるコスト削減
- 技術の進歩による発電力の効率化
- 国や地域による需要の変化に対応するための政策や規制の変更
- 太陽光発電の普及による市場の拡大
これらの要因により、太陽光パネルの価格は今後も下がり続ける可能性が高いと考えられます。しかし、それと同時に、太陽光発電の買取価格も下がっています。2022年度の買取価格は1kWhあたり13円となっており、2012年度の40円から大幅に減少しています。
太陽光発電の買取価格は、国が定める固定価格買取制度(FIT)によって決まります。FITは、再生可能エネルギーの普及を促進するために、電力会社に対して一定期間、一定価格で発電者から電力を買い取ることを義務付ける制度です。
FITの買取価格は、発電コストや市場価格などに応じて毎年見直されます。太陽光発電の買取価格は、発電コストの低下や市場価格の下落などにより、年々下がっています。また、2021年からは、太陽光発電の買取価格は、設備容量や設置場所などによって異なる「地域別価格」となりました。
太陽光パネルのメーカー別価格一覧
太陽光パネルのメーカーは数多くありますが、その中でも主要なメーカーとその価格を以下の表にまとめました。表は、2022年度のkW単価の平均値を基に作成しています。
メーカー | kW単価(万円) | 発電出力(W) | 変換効率(%) |
---|---|---|---|
シャープ | 26.0 | 300 | 18.5 |
パナソニック | 28.0 | 330 | 19.7 |
京セラ | 25.0 | 280 | 17.2 |
日立 | 27.0 | 290 | 17.8 |
三菱電機 | 26.0 | 285 | 17.5 |
Qセルズ | 24.0 | 340 | 20.1 |
サンパワー | 30.0 | 360 | 21.5 |
LG | 29.0 | 350 | 20.8 |
カナディアンソーラー | 23.0 | 325 | 19.3 |
ジンコソーラー | 22.0 | 310 | 18.4 |
太陽光パネルのメーカー別価格を見ると、日本のメーカーは海外のメーカーに比べてやや高めになっています。しかし、日本のメーカーは品質やアフターサービスに定評がありますし、海外のメーカーは安価ながらも高性能な製品を提供しています。メーカー選びは、価格だけでなく、性能や信頼性なども考慮する必要があります。
太陽光パネルの費用の見積もり方法
太陽光パネルの導入費用は、メーカーや製品、設置場所や規模などによって大きく異なります。そのため、自分の家に最適な太陽光パネルを選ぶには、複数の業者から見積もりを取ることが重要です。
見積もりを取る際には、以下の点に注意しましょう。
- 見積もりは無料で取れるかどうか確認する
- 見積もりは細かく内訳を明記してもらう
- 見積もりはkW単価で比較する
- 見積もりは3社以上から取る
- 見積もりは同じ条件で取る
見積もりを取ることで、太陽光パネルの価格や性能、費用対効果などを比較検討できます。また、見積もりを取ることで、業者の対応や信頼度なども判断できます。太陽光パネルは長期的に運用するものなので、安心して任せられる業者を選ぶことが大切です。
まとめ
太陽光パネルの価格は、近年下がり続けており、導入を検討するなら今が狙い目とも言えます。しかし、太陽光パネルの価格だけでなく、発電量や買取価格、運用費用なども考慮する必要があります。自分の家に最適な太陽光パネルを選ぶには、複数の業者から見積もりを取って比較検討することがおすすめです。太陽光パネルは、自然エネルギーを利用して電気を発電する環境に優しい設備です。太陽光パネルを導入することで、光熱費の節約や売電収入などのメリットを得ることができます。太陽光パネルの価格に関する情報を参考にして、ぜひ太陽光パネルの導入を検討してみてください。