不動産の査定額が高すぎると感じたことはありませんか? 不動産を売却するときには、査定額が高いほど嬉しいものですが、実はそれが不動産会社の罠かもしれません。この記事では、不動産の高額査定に要注意する理由と、失敗しない不動産会社選びのコツをお伝えします。
不動産の高額査定に要注意する理由
不動産の査定額は、不動産会社が独自の基準で算出したものであり、必ずしも売却価格と一致するとは限りません。 売却価格は、最終的に売主と買主の交渉で決まります。そのため、査定額が高いからといって、高く売れるとは言えないのです。
では、なぜ不動産会社は高額査定をするのでしょうか。その理由は主に以下の3つです。
- 査定額が高い不動産会社であることをアピールするため
- 媒介契約を締結し仲介手数料を受け取るため
- 囲い込みをおこなうため
それぞれ詳しく見ていきましょう。
査定額が高い不動産会社であることをアピールするため
不動産会社は、査定額が高いと多くの売主から注目が集まるため、宣伝目的であえて査定額を高くしている場合があります。たとえば、高額査定をうたったCMや広告などを目にした売主は高い査定額で売りたいという気持ちになり、査定依頼をします。しかし、実際は高値で売れず、値下げすることになる危険性が高いのです。
媒介契約を締結し仲介手数料を受け取るため
不動産会社は、不動産が売却できなければ利益を得られません。仲介での売却が成立した時に、その価格に応じた仲介手数料を売主に支払ってもらうことで収入を得ているからです。しかし、売主と専任媒介契約や専属専任媒介契約を結べば、契約期間中は自社以外を介して不動産を売却できません。途中で値下げをしてでも契約期間中に売却さえできれば、仲介手数料を取り損なうことはないのです。
そのため、不動産会社は、高い査定額で売主に期待を持たせて、売却の契約を結ぶことを狙っている場合があります。 一般的に、高額査定は高額売却のイメージが持たれやすいです。しかし、先述の通り、仲介での不動産売却では査定額が高いからといって、高く売れるとは限らないのです。
囲い込みをおこなうため
不動産会社は、売主の不動産を囲い込むことで、自社の利益を確保しようとする場合があります。 囲い込みとは、不動産会社が売主に対して、他の不動産会社に売却することを妨げることです。たとえば、以下のような方法で囲い込みをおこなうことがあります。
- 高額査定で契約を結び、その後値下げを繰り返す
- 売却活動をせず、買取やリースバックなどの別のサービスを勧める
- 売却活動をせず、自社の顧客に安く売却する
囲い込みをおこなわれると、売主は不動産を高く売れないだけでなく、契約解除や損害賠償などのトラブルに巻き込まれる可能性もあります。
失敗しない不動産会社選びのコツ
不動産の高額査定に要注意する理由をお伝えしましたが、ではどのようにして失敗しない不動産会社を選ぶのでしょうか。ここでは、本当に高値で売却してくれる不動産会社の特徴と、選び方のコツをお伝えします。
本当に高値で売却してくれる不動産会社の特徴
本当に高値で売却してくれる不動産会社の特徴は、以下の3つです。
- 地域密着で小回りがきく
- 売却サポートサービスが充実している
- 知識が豊富な担当者がそろっている
それぞれ詳しく見ていきましょう。
地域密着で小回りがきく
不動産の価値は、立地や周辺環境などの地域性に大きく左右されます。そのため、売却する不動産の地域に詳しい不動産会社を選ぶことが重要です。 地域密着型の不動産会社は、以下のようなメリットがあります。
- 地域の相場やニーズを正確に把握している
- 地域の買主や仲介業者とのネットワークが広い
- 地域の魅力や特徴をアピールできる
これらのメリットを活かして、不動産の価値を高めたり、買主を見つけたりすることができます。また、地域密着型の不動産会社は、大手やチェーン店に比べて小規模であることが多いため、小回りがききやすいという特徴もあります。柔軟に対応できることは、売主の要望や状況に応じた最適な売却プランを立てることにもつながります。
売却サポートサービスが充実している
不動産の売却は、査定や契約だけでなく、様々な手続きや作業が必要です。たとえば、以下のようなものがあります。
- 不動産の現況確認や清掃
- 不動産の修繕やリフォーム
- 不動産の広告や見学の対応
- 不動産の価格交渉や契約書の作成
- 不動産の引き渡しや登記の手続き
- 不動産の税金やローンの計算
これらの手続きや作業は、売主にとっては時間や労力がかかるだけでなく、専門的な知識やスキルが必要なものも多いです。そのため、不動産会社によっては、これらの手続きや作業を代行してくれるサービスを提供している場合があります。たとえば、以下のようなサービスがあります。
- 不動産の査定や売却相談
- 不動産の写真撮影やパンフレット作成
- 不動産のホームステージングやホームインスペクション
- 不動産の売却代金の仮払いや売却後のアフターサービス
これらのサービスを利用することで、売主は不動産の売却にかかる負担を軽減できるだけでなく、不動産の魅力を高めたり、売却スピードを上げたりすることができます。また、不動産会社が売却サポートサービスを充実させていることは、売主の利益を最優先していることの証でもあります。
知識が豊富な担当者がそろっている
不動産の売却は、不動産会社の担当者とのコミュニケーションが非常に重要です。担当者は、売主の不動産の特徴や状況を把握し、売主の希望や要望に応えることができる人でなければなりません。そのため、不動産会社の担当者は、以下のような知識やスキルを持っている必要があります。
- 不動産の市場動向や法律・税務の知識
- 不動産の査定や価格交渉のノウハウ
- 不動産の広告や販売戦略のセンス
- 不動産の契約や手続きの経験
- 不動産の問題やトラブルの解決力
- 不動産の相談や報告のコミュニケーション力
これらの知識やスキルを持った担当者がそろっている不動産会社は、売主に安心感や信頼感を与えることができます。また、担当者が売主との関係を大切にし、丁寧に対応してくれることも、売却の成功に欠かせません。
不動産会社選びのコツ
本当に高値で売却してくれる不動産会社の特徴をお伝えしましたが、ではどのようにして不動産会社を選ぶのでしょうか。ここでは、不動産会社選びのコツをお伝えします。
複数の不動産会社に査定依頼をする
不動産会社選びの第一歩は、複数の不動産会社に査定依頼をすることです。査定依頼をすることで、以下のようなメリットがあります。
- 不動産の相場や価格帯を知ることができる
- 不動産会社のサービスや対応を比較することができる
- 不動産会社の信頼性や実績を確認することができる
査定依頼をする際には、以下のようなポイントに注意しましょう。
- 査定依頼は無料でできることが多いので、気軽に申し込むことができる
- 査定依頼はインターネットや電話でできることが多いので、手間がかからない
- 査定依頼は3~5社程度にすると、査定結果や対応の違いがわかりやすい
- 査定依頼は地域密着型の不動産会社を中心にすると、地域の相場やニーズがわかりやすい
不動産会社の評判や口コミをチェックする
不動産会社選びの第二歩は、不動産会社の評判や口コミをチェックすることです。評判や口コミをチェックすることで、以下のようなメリットがあります。
- 不動産会社の実際のサービスや対応を知ることができる
- 不動産会社の強みや弱みを知ることができる
- 不動産会社の問題やトラブルを知ることができる
評判や口コミをチェックする際には、以下のようなポイントに注意しましょう。
- 評判や口コミはインターネットや雑誌などで探すことができる
- 評判や口コミは一つ一つを鵜呑みにせず、複数の情報源を参考にすることが大切
- 評判や口コミは最新のものを優先的に見ると、現在の状況がわかりやすい
- 評判や口コミは自分の売却する不動産の種類や地域に関連するものを重視すると、参考になりやすい
不動産会社の担当者と直接話をする
不動産会社選びの第三歩は、不動産会社の担当者と直接話をすることです。担当者と直接話をすることで、以下のようなメリットがあります。
- 不動産会社のサービスや対応を実感することができる
- 不動産会社の信頼性や実績を確信することができる
- 不動産会社の提案やアドバイスを聞くことができる
担当者と直接話をする際には、以下のようなポイントに注意しましょう。
- 担当者と直接話をする前に、自分の不動産の特徴や状況、希望や要望などを整理しておくと、スムーズに話ができる
- 担当者と直接話をするときには、査定額の根拠や売却プランの詳細、売却サポートサービスの内容や費用などを具体的に聞くと、不動産会社の提供価値がわかる
- 担当者と直接話をするときには、自分の疑問や不安などを遠慮せずに質問すると、不動産会社の信頼性や対応力がわかる
- 担当者と直接話をするときには、担当者の態度や言動、表情や声のトーンなどにも注目すると、不動産会社の姿勢や人柄がわかる
まとめ
不動産の査定額が高すぎると感じたら、注意が必要です。不動産会社によっては、高額査定で売主を騙して、利益を得ようとする場合があります。そのため、不動産会社選びは慎重におこなう必要があります。本当に高値で売却してくれる不動産会社の特徴と、選び方のコツを参考にして、失敗しない不動産会社を見つけましょう。