ハゲは多くの男性にとって悩ましい問題ですが、その原因は遺伝にあると言われています。では、ハゲはどのように遺伝するのでしょうか? また、ハゲの遺伝子を持っていると必ずハゲるのでしょうか?
この記事では、ハゲのメカニズムと遺伝の関係、そしてハゲを予防する方法についてご紹介します。
ハゲのメカニズムと遺伝の関係
ハゲの主な原因は、男性ホルモンの一種であるテストステロンが、還元酵素と呼ばれる物質によってジヒドロテストステロン(DHT)というホルモンに変換されることです。DHTは毛根に存在する男性ホルモン受容体と結合すると、毛母細胞の活動を抑制し、毛髪の成長期を短くし、退行期や休止期を長くします。その結果、髪の毛が細く短くなり、やがて抜け落ちてしまいます。これがAGA(男性型脱毛症)と呼ばれるハゲの一種です。
では、なぜテストステロンがDHTに変換されるのでしょうか? その答えは遺伝にあります。テストステロンと還元酵素が結合する割合は、個人差がありますが、その個人差は遺伝子によって決まります。つまり、DHTを多く生成する遺伝子を持っている人は、ハゲやすいということです。
ハゲの遺伝子は、主に以下の2種類があります。
- 男性ホルモン受容体の感度が高い遺伝子:髪の毛がDHTの影響を受けやすい
- 5αリダクターゼの活性が高い遺伝子:DHTを増やしやすい
これらの遺伝子は、母親からも父親からも受け継ぐことができますが、遺伝の仕方は異なります。
男性ホルモン受容体の感度に関わる遺伝子は、X染色体にあるため、母親からのみ受け継ぎます。そして、母親が持つX染色体は、母方の祖父から受け継いだものです。つまり、母方の祖父がハゲている場合、その遺伝子を持つ確率は高くなります。これを隔世遺伝と言います。
5αリダクターゼの活性に関わる遺伝子は、優性遺伝するため、父親または母親のどちらかが持っていれば、その遺伝子が子どもに優先的に受け継がれます。両親ともにこの遺伝子を持っている場合は、さらにハゲやすくなります。
ハゲを予防する方法
ハゲの遺伝子を持っていると、必ずハゲるというわけではありません。ハゲは遺伝だけでなく、生活習慣やストレスなどの環境要因も影響します。ハゲを予防するためには、以下のようなことに気を付けましょう。
- 健康的な食事をとる:ビタミンやミネラルなどの栄養素が髪の毛の材料になります。特に亜鉛や鉄は毛髪の成分であるケラチンの生成に必要です。肉や魚、卵、乳製品、豆類などをバランスよく摂取しましょう。
- 適度な運動をする:運動は血行を促進し、毛根に栄養や酸素を届けます。また、運動はストレスを軽減し、男性ホルモンのバランスを整えます。週に3回程度、30分以上の有酸素運動を心がけましょう。
- 睡眠を十分にとる:睡眠は髪の毛の成長に重要な役割を果たします。睡眠中に分泌される成長ホルモンは、毛髪の成分であるタンパク質の合成を促進します。また、睡眠不足はストレスや免疫力の低下につながり、ハゲの原因になります。毎日7時間以上の睡眠を目指しましょう。
- タバコやアルコールを控える:タバコやアルコールは、血管を収縮させて血行を悪化させます。また、タバコはビタミンCの吸収を妨げ、アルコールは亜鉛の排出を促進します。これらは髪の毛に必要な栄養素の欠乏につながります。タバコやアルコールは、できるだけ控えるようにしましょう。
- 髪の毛や頭皮のケアをする:髪の毛や頭皮には、皮脂や汗、ホコリなどの汚れが付着します。これらは毛穴を詰まらせて毛根にダメージを与えます。また、シャンプーやヘアスタイリング剤などの化学物質も髪の毛や頭皮に刺激を与えます。髪の毛や頭皮は、毎日やさしく洗って清潔に保ちましょう。また、乾燥や紫外線などの外的要因からも保護しましょう。
まとめ
ハゲは遺伝すると言われていますが、遺伝だけが原因ではありません。ハゲを予防するためには、生活習慣や環境要因にも注意が必要です。ハゲの遺伝子を持っているとしても、早めに対策をとれば、ハゲの進行をできるだけ抑えることができます。
もし、ハゲが気になる場合は、医師や専門家に相談することも大切です。ハゲの治療法には、内服薬や外用薬、育毛剤や発毛剤、植毛や増毛など、さまざまな方法があります。自分に合った治療法を選ぶことで、ハゲの改善や予防に効果が期待できます。
ハゲは遺伝するという事実に落胆する必要はありません。ハゲは遺伝だけでなく、生活習慣や環境要因にも大きく左右されます。ハゲの遺伝子を持っているとしても、ハゲにならない人もいますし、ハゲになっても治療することができます。ハゲを予防するためには、日々のケアや対策が重要です。ハゲに悩む前に、ハゲを防ぐ生活を始めましょう。