今回は、ファクタリングと手形の違いについて解説していきたいと思います。
ファクタリングと手形は、どちらも売掛債権を活用した資金調達方法ですが、その仕組みやメリット・デメリットは異なります。
ファクタリングと手形の違いを知ることで、自社の資金繰りに合った方法を選択できるようになります。
ファクタリングとは
ファクタリングとは、売掛債権をファクタリング会社に譲渡・売却することで、支払期日前に現金化できるサービスです。
ファクタリング会社は、売掛債権の額面から手数料を差し引いた金額を利用者に支払います。
利用者は、売掛債権の回収ができなくなった場合でも、ファクタリング会社に対して弁済する義務はありません。
手形とは
手形とは、一定の期日に一定の金額を支払うことを約束した有価証券です。
手形を利用した資金調達方法には、手形割引と廻し手形(裏書手形)があります。
手形割引とは、手形の支払期日前に金融機関や手形割引業者に手形を買い取ってもらうことで、満期前に現金化できるサービスです。
廻し手形とは、手形をほかの取引先へ譲渡して支払いをする決済方法です。
ファクタリングと手形の違い
ファクタリングと手形の違いは、以下の5点にまとめられます。
- 償還請求権の有無
- ファクタリングは償還請求権がないため、売掛債権の回収ができなくなっても弁済する必要がない
- 手形割引や廻し手形は償還請求権があるため、手形発行者が不渡りを起こした場合、代わりに支払う必要がある
- 現金化スピード
- ファクタリングは最短即日~1週間程度で現金化できる
- 手形割引や廻し手形は取引先や金融機関の与信調査や承諾が必要なため、現金化までに時間がかかる場合がある
- 手数料
- ファクタリングは売掛債権の1%~30%程度の手数料がかかる
- 手形割引は年利1%~20%程度の割引料がかかる
- 廻し手形は基本的に手数料がかからない
- 確実性
- ファクタリングは売掛債権を所有していればほぼ確実に資金調達が可能
- 手形割引や廻し手形は取引先や金融機関から断られる可能性がある
- 取引先への影響
- ファクタリングは2社間ファクタリングの場合、取引先に利用がバレない
- 手形割引や廻し手形は取引先に手形の譲渡が知られる
ファクタリングと手形は、それぞれにメリット・デメリットがあります。
自社の資金繰りの状況や目的に応じて、適切な方法を選択することが重要です。
ファクタリングは、売掛債権の早期現金化ができる便利なサービスですが、手数料に注意する必要があります。
手形は、手数料が安いかかからない場合もありますが、不渡りのリスクや取引先への影響を考慮する必要があります。
ファクタリングと手形のメリット・デメリット
ファクタリングと手形のメリット・デメリットについて、以下の表にまとめてみました。ご参考になれば幸いです。
種類 | ファクタリング | 手形 |
---|---|---|
メリット | – 売掛債権の早期現金化が可能 – 償還請求権がないため、不渡りのリスクがない – 2社間ファクタリングの場合、取引先に利用がバレない | – 手数料が安いかかからない場合もある – 手形を譲渡することで、取引先との信頼関係を強化できる |
デメリット | – 手数料が高い場合がある – 3社間ファクタリングの場合、取引先に利用がバレる – 売掛債権の譲渡に取引先の同意が必要な場合がある | – 償還請求権があるため、不渡りのリスクがある – 取引先や金融機関から断られる可能性がある – 手形の発行や譲渡に手間がかかる |
おすすめのファクタリングサービス5選
ファクタリングサービスは、売掛債権を現金化することで、資金繰りに困っている企業や個人事業主にとって有効な方法です。
しかし、ファクタリングサービスには、手数料や入金スピード、審査基準などが異なるため、自分のニーズに合ったサービスを選ぶことが重要です。
そこで、おすすめのファクタリングサービスを紹介します。
サービス名 | 手数料 | 入金スピード | 個人事業主の利用 | 備考 |
---|---|---|---|---|
QuQuMo | 1%~ | 最短2時間 | 可 | オンライン完結 |
アクセルファクター | 2%~ | 最短2時間 | 可 | ネクステージグループ資本 |
ビートレーディング | 2%~ | 最短2時間 | 可 | 対面契約も可能 |
日本中小企業金融サポート機構 | 1.5%~10% | 最短3時間 | 可 | 一般社団法人 |
OLTA | 2%~9% | 最短翌日 | 可 | GMOグループ資本 |
これらのサービスは、手数料が低く、入金スピードが速く、個人事業主でも利用できるという共通点があります。
また、大手グループや一般社団法人の資本がある場合も多いため、安心感があります。
ただし、手数料は売掛債権の額や取引先の信用度などによって変動する場合があるので、利用前に必ず確認しましょう。
まとめ
今回は、ファクタリングと手形の違いについて解説しました。
ファクタリングと手形は、どちらも売掛債権を活用した資金調達方法ですが、その仕組みやメリット・デメリットは異なります。
自社の資金繰りの状況や目的に応じて、適切な方法を選択することが重要です。
この記事が、資金調達方法の選択の参考になれば幸いです。