ファクタリングとは、売掛債権をファクタリング会社に売却して現金を受け取る資金調達の方法です。
ファクタリングを利用すると、入金サイクルが短縮できるので資金繰りの改善が見込めます。
しかし、ファクタリングには支払いの流れや期日に注意する必要があります。
この記事では、ファクタリングの支払いに関する基本的な知識を解説します。
ファクタリングには、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがあります。
それぞれ手続きと支払いの流れ、支払い方法、支払い期日などが異なります。
2社間ファクタリング
2社間ファクタリングとは、利用者とファクタリング会社の間で契約するファクタリングです。
売掛先にファクタリングの利用を知られないことが特徴です。
2社間ファクタリングの手続きは以下のようになります。
- 利用者が売掛先に請求書を発行
- 利用者がファクタリング会社に売掛債権の買い取りを申し込む
- ファクタリング会社は売掛先の信用調査を実施し、審査後に利用者へ条件を提示
- その条件で合意ができたら契約し、売掛債権をファクタリング会社に売却して手数料を引いた現金を利用者が受け取る
- 売掛先から売掛金が支払われたら、利用者はファクタリング会社に売掛金を支払う
2社間ファクタリングでは、利用者は売掛債権売却後も売掛金を回収する責任が生じます。
支払期日についても、契約書通りに履行することが必要です。
多くの場合、支払期日は売掛金回収期日の10日~15日後に設定されています。
3社間ファクタリング
3社間ファクタリングとは、利用者、ファクタリング会社、売掛先の3社間で行うファクタリングです。
売掛先の承諾を得ることが特徴で、売掛金は売掛先からファクタリング会社に直接支払われます。
3社間ファクタリングの手続きは以下のようになります。
- 利用者が売掛先に請求書を発行
- 利用者がファクタリング会社に売掛債権の買い取りを申し込む
- ファクタリング会社は売掛先の信用調査を実施し、審査後に利用者へ条件を提示
- 利用者が売掛先に、ファクタリングを行うことの承諾を得る
- 3社間の契約を締結後、売掛債権をファクタリング会社に売却して手数料を引いた現金利用者が受け取る
- 売掛先が直接、ファクタリング会社に売掛金を支払う
3社間ファクタリングでは、利用者は売掛債権の売却後に売掛金を回収する責任は生じません。
ファクタリング会社にとっては回収リスクが軽減されるため、手数料が2社間ファクタリングより安く設定されていることが特徴です。
ファクタリングの支払いには、ファクタリング手数料や審査事務手数料、債権譲渡登記費用などがかかります。
これらの費用は、買取代金から差し引かれるため、利用者が手続きする必要はありません。
ファクタリング手数料は、ファクタリング会社や取引形態によって異なりますが、一般的には売掛金の5%~20%程度です。
ファクタリングを利用すると、素早く売掛債権を現金化することができますが、支払いの流れや期日に注意することが重要です。
特に2社間ファクタリングでは、売掛金を回収した後にファクタリング会社に支払うことを忘れないようにしましょう。
また、売掛金を使い込んだり遅延させたりすると、契約違反や損害賠償の対象になる可能性があります。
ファクタリングの支払いは速やかに、確実に行うことが大切です。
ファクタリング会社が提供するその他のサービス
ファクタリングの支払いには、売掛債権の買取代金だけでなく、ファクタリング会社が提供するサービスに応じて、追加料金が発生する場合があります。
例えば、以下のようなサービスがあります。
- 売掛先の管理や催促
- 売掛先の信用保証
- 売掛先の倒産や不渡りのリスク負担
- 売掛先との交渉や調整
- 売掛債権の回収代行
これらのサービスは、利用者にとっては便利で安心ですが、ファクタリング会社にとってはコストやリスクがかかります。
そのため、ファクタリング会社はこれらのサービスを提供する場合、追加料金を請求することがあります。
追加料金は、売掛金の一定割合や固定額で設定されていることが多く、契約時に明確に確認する必要があります。
まとめ
ファクタリングは、売掛債権を現金化することで、資金繰りの改善や事業拡大に役立つ資金調達の方法です。
しかし、ファクタリングには、支払いの流れや期日、手数料や追加料金などに注意する必要があります。
ファクタリングを利用する際には、利用者とファクタリング会社との間で契約内容や条件をしっかりと確認し、合意することが大切です。
また、契約後に発生する可能性があるトラブルや変更事項についても、事前に相談し、対応策を決めておくことが望ましいです。
ファクタリングは、資金調達の手段として有効ですが、支払いに関する知識や注意点を把握しておくことで、より安心して利用できるでしょう。