一括ファクタリングとは、支払企業が手形の代わりに利用する支払手段の一つです。
一括ファクタリングでは、支払企業・納入企業・ファクタリング会社の三者間で売掛債権の買取と決済を行います。
この記事では、一括ファクタリングの仕組みやメリット・デメリット、でんさいとの違いなどを解説します。
一括ファクタリングの仕組み
一括ファクタリングを利用するには、まず支払企業がファクタリング会社と契約やシステム登録をします。
ファクタリング会社は支払企業の信用力を審査し、契約金額や支払期日などを決めます。
次に、納入企業が支払企業に商品やサービスを提供し、売掛債権が発生します。
支払企業は納入企業に対して、金額や支払期日を明記した支払通知書を送付します。
同時に、ファクタリング会社にも納入企業ごとの支払明細データを送信します。
その後、納入企業が売掛債権をファクタリング会社に譲渡することで、現金化が可能になります。
ファクタリング会社は納入企業に手数料を差し引いた金額を支払います。
手数料は一般的に1%~5%程度です。
最後に、支払企業は期日になるとファクタリング会社へ一括で支払代金を払います。
このように、一括ファクタリングでは売掛債権の買取と決済が一体化されています。
一括ファクタリングのメリット・デメリット
一括ファクタリングのメリットは、主に以下の3点です。
- 手形発行や管理にかかるコストや手間が削減できる
- 支払企業の信用力が高まり、取引先との信頼関係が強化できる
- 納入企業の資金繰りが改善され、サプライチェーンの安定化に貢献できる
一方で、一括ファクタリングのデメリットは、主に以下の2点です。
- ファクタリング会社の審査に通過しなければならない
- 支払期限が短くなる場合がある
それぞれのメリット・デメリットを具体的に見ていきましょう。
手形発行や管理にかかるコストや手間が削減できる
一括ファクタリングでは、手形を発行する必要がありません。
そのため、手形発行に伴う収入印紙代や銀行手数料などのコストを節約できます。
また、手形を管理するための事務作業や人件費も削減できます。
さらに、手形の紛失や盗難などのリスクも回避できます。
支払企業の信用力が高まり、取引先との信頼関係が強化できる
一括ファクタリングを利用するためには、ファクタリング会社からの審査に通過しなければなりません。
審査では、支払企業の経営状況や支払能力などが厳しくチェックされます。
そのため、審査に通過した支払企業は、信用力が高いと認められたことになります。
これは、納入企業や他の取引先に対しても好印象を与えることができます。
また、支払企業は納入企業に対して支払いを保証することができるため、取引先との信頼関係を強化することができます。
納入企業の資金繰りが改善され、サプライチェーンの安定化に貢献できる
一括ファクタリングでは、納入企業は売掛債権をファクタリング会社に譲渡することで、即日現金化することができます。
これは、売掛債権を待つよりも早く資金を得られることを意味します。
そのため、納入企業は資金繰りやキャッシュフローを改善することができます。
また、支払企業からの支払い遅延や不履行のリスクもなくなります。
これは、納入企業だけでなく、サプライチェーン全体の安定化にも貢献することができます。
ファクタリング会社の審査に通過しなければならない
一括ファクタリングを利用するためには、ファクタリング会社からの審査に通過しなければなりません。
審査では、支払企業の経営状況や支払能力などが厳しくチェックされます。
そのため、審査に通過することができない支払企業も存在します。
また、審査に通過したとしても、ファクタリング会社からの条件や手数料などに納得できない場合もあります。
このように、一括ファクタリングを利用するためには、ファクタリング会社との交渉や契約が必要です。
支払期限が短くなる場合がある
一括ファクタリングでは、支払期限は60日程度が一般的です。
これは、手形取引では120日程度に設定できる場合もあることと比べると短い期間です。
そのため、支払企業は資金の回転を早める必要があります。
また、支払期限を短くすることで、納入企業に対して不利益を与えることになる場合もあります。
例えば、納入企業が売掛債権を現金化しない場合や、売掛債権を現金化することで税金が発生する場合などです。
このように、一括ファクタリングでは、支払期限の設定に注意する必要があります。
一括ファクタリングとでんさいとの違い
一括ファクタリングと似たようなサービスに「でんさい」というものがあります。
でんさいとは、納入企業が売掛債権を電子債権に変換し、支払企業に譲渡することで現金化するサービスです。
でんさいはファクタリング会社ではなく、電子債権取引所が提供しています。
一括ファクタリングとでんさいの違いは、以下の点にあります。
- 一括ファクタリングは支払企業が利用を決めるのに対し、でんさいは納入企業が利用を決める
- 一括ファクタリングはファクタリング会社が売掛債権を買い取るのに対し、でんさいは電子債権取引所で売掛債権を売却する
- 一括ファクタリングは支払企業と納入企業の間で決済が行われるのに対し、でんさいは電子債権取引所と納入企業の間で決済が行われる
- 一括ファクタリングは支払期日が60日程度が一般的なのに対し、でんさいは支払期日が30日程度が一般的
一括ファクタリングのおすすめサービス
一括ファクタリングのおすすめサービスは、以下の5つです。
- ファクタリングベスト
- Payなび
- アクセルファクター
- 日本中小企業金融サポート機構
- QuQuMo(ククモ)
それぞれのサービスの特徴やメリットを紹介します。
ファクタリングベスト
ファクタリングベストは、法人限定の一括見積もりサービスです。
簡単な情報を入力するだけで、審査通過率9割超の優良ファクタリング会社最大4社に一括で相見積もりを依頼できます。
その中から一番条件の良い会社に買取を依頼することができます。
最短3時間で資金調達が可能です。土日祝日も営業しています。
ファクタリングベストのメリット
- 優良ファクタリング会社からのみ見積もりが届くため、安心して利用できる
- 見積もりを比較することで、手数料や買取額などの条件を最適化できる
- 申し込みから入金までのスピードが早い
Payなび
Payなびは、オンラインで利用できるファクタリング無料一括申込みサービスです。
必要書類を添付して申し込むことで、一度で複数のファクタリング会社に審査を申し込めます。
仮承認が通過した会社からのみ連絡がくるため、無駄な営業電話ラッシュの心配はありません。
最短即日で資金調達が可能です。
Payなびのメリット
- 審査申し込みの手間を大幅に削減できる
- オンライン完結で非対面でも利用できる
- 複数社に対応する必要がない
アクセルファクター
アクセルファクターは、オンライン完結型のファクタリングサービスです。
Web上で簡単に申し込みや契約ができます。
手数料は2%~と低く設定されています。最短2時間で資金調達が可能です。
土日祝日も営業しています。
アクセルファクターのメリット
- 手数料が安い
- 入金スピードが早い
- オンライン完結で手間がかからない
日本中小企業金融サポート機構
日本中小企業金融サポート機構は、中小企業や個人事業主向けのファクタリングサービスです。
手数料は1.5%~10%と幅広く設定されています。
最短即日で資金調達が可能です。
オンライン完結ではありませんが、郵送や出張契約も可能です。
日本中小企業金融サポート機構のメリット
- 中小企業や個人事業主に対応している
- 手数料が柔軟に設定されている
- 郵送や出張契約も可能
QuQuMo(ククモ)
QuQuMo(ククモ)は、オンライン完結型のファクタリングサービスです。
手数料は1%~と非常に安く設定されています。
最短2時間で資金調達が可能です。
土日祝日も営業しています。
QuQuMo(ククモ)のメリット
- 手数料が非常に安い
- 入金スピードが早い
- オンライン完結で手間がかからない
まとめ
一括ファクタリングは、手形取引の代わりに利用できる支払い手段です。
一括ファクタリングを利用することで、支払企業と納入企業の双方にメリットがありますが、デメリットも存在します。
また、一括ファクタリングと似たようなサービスに「でんさい」というものがありますが、違いがあるので注意しましょう。
最後に、一括ファクタリングのおすすめサービスを5つ紹介しました。
それぞれのサービスの特徴やメリットを比較して、自社に合ったサービスを選ぶことが大切です。
一括ファクタリングに関心がある方は、ぜひ参考にしてみてください。