飲食店を開業するときに必要なレジですが、どんな種類があるのか、どれを選べばいいのか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
レジはお店の売上や在庫、顧客管理などに大きく関わる重要な機器です。
適当に決めてしまうと、後々トラブルや不便が発生する可能性があります。
そこで今回は、飲食店向けのレジの種類や機能、規模や業態ごとのおすすめを紹介します。
レジ選びで失敗しないために、ぜひ参考にしてください。
飲食店のレジの種類と特徴
レジには大きく分けて4つの種類があります。
それぞれの特徴やメリット・デメリットを見ていきましょう。
レジスター
レジスターとは、会計するためだけのシンプルなレジで、メカレジやガチャレジとも呼ばれます。
ボタンも少なく操作を覚えるのは簡単ですが、売上管理や在庫管理などはできません。
また、誤入力や不正のリスクが高く、レジ締めなどの手作業に時間がかかります。
レジスターはコストが安いですが、経営をサポートする機能がないため、小規模なお店でない限りおすすめしません。
POSレジ
POSレジとは、販売情報をリアルタイムに収集・管理する機能を有したレジで、商品別にバーコードを読み取ったり、売上や在庫を分析したりできます。
また、クレジットカード決済やポイントカードなどと連携することも可能です。
POSレジは操作性や耐久性に優れていますが、導入費用が高くなることがデメリットです。
POSレジは大規模店や中規模店に向いていますが、来客数が多い小規模店にもおすすめです。
タブレットレジ
タブレットレジとは、iPadなどのタブレット端末にレジ機能をインストールして使用するレジで、画面上のアイコンやボタンから直観的に操作できます。
周辺機器とは無線で通信するため、持ち運びもできます。
タブレットレジはスペースを取らないことや持ち運べることがメリットですが、POS機能はありません。
タブレットPOSレジ
タブレットPOSレジとは、タブレットレジにPOS機能を追加したレジで、顧客管理や商品・在庫管理、スタッフの勤怠管理などもできます。
データ分析もパソコンやスマートフォンから行えます。
タブレットPOSレジは規模や業態を問わず使える万能なレジです。
飲食店向けのレジの機能とメリット
飲食店には、さまざまな種類や規模のお店がありますが、どのお店でも共通して必要なレジの機能は以下の5つです。
- 売上集計・分析機能
- 顧客管理・分析機能
- セルフオーダー・テイクアウト機能
- クレジットカード・電子マネー決済機能
- セルフレジとの連携機能
それぞれの機能とメリットを簡単に紹介します。
売上集計・分析機能
売上集計・分析機能とは、レジで入力された販売データを自動的に集計し、日別や月別、商品別などに分けてグラフや表で表示する機能です。
この機能のメリットは、以下のような点が挙げられます。
- 閉店後のレジ締め作業が簡単になり、スタッフの負担を軽減できる。
- 売れ筋商品や混雑時間帯などを把握しやすくなり、メニューやスタッフ配置などの経営戦略に活用できる。
- データをクラウド上で管理できるため、パソコンやスマホからいつでも確認できる。
- 複数店舗の売上データを一元管理できるため、店舗間の比較や分析ができる。
顧客管理・分析機能
顧客管理・分析機能とは、顧客の名前や電話番号、メールアドレスなどの基本情報や、来店回数や購入履歴などの購買情報を登録し、管理する機能です。
この機能のメリットは、以下のような点が挙げられます。
- 顧客の好みや嗜好を把握しやすくなり、新規メニューやキャンペーンなどの企画に活用できる。
- 顧客に合わせたオススメ商品やクーポンなどを提案しやすくなり、リピート率や売上アップにつなげることができる。
- 顧客の誕生日や記念日などを登録しておけば、その日に特別なサービスを提供することができる。
- スタッフ間で顧客情報を共有しやすくなり、接客の質を向上させることができる。
セルフオーダー・テイクアウト機能
セルフオーダー・テイクアウト機能とは、テーブルにタブレット端末やQRコードを設置し、顧客自身が注文や決済を行えるようにする機能です。
この機能のメリットは、以下のような点が挙げられます。
- スタッフが注文を取る必要がなくなり、業務効率化や人件費削減につながる。
- 顧客は待ち時間が少なくなり、満足度が向上する。
- 注文ミスや会計ミスが減り、クレームや返品が減る。
- テイクアウトの需要に対応できるようになり、売上の拡大につながる。
クレジットカード・電子マネー決済機能
クレジットカード・電子マネー決済機能とは、レジでクレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレス決済を受け付ける機能です。
この機能のメリットは、以下のような点が挙げられます。
- 現金の管理や釣り銭の準備が不要になり、業務効率化や経費削減につながる。
- 顧客は好きな支払い方法を選べるため、利便性が向上する。
- キャッシュレス決済の利用者に対してポイント還元や消費税軽減などの優遇措置が受けられる。
- キャッシュレス決済の利用データを分析し、顧客管理やマーケティングに活用できる。
セルフレジとの連携機能
セルフレジとの連携機能とは、顧客自身が会計を行えるセルフレジと、注文や決済を行えるセルフオーダー・テイクアウト機能を連動させる機能です。
この機能のメリットは、以下のような点が挙げられます。
- スタッフが会計に関わらずに済むため、業務効率化や人件費削減につながる。
- 顧客は自分のペースで注文や会計を行えるため、満足度が向上する。
- 注文や会計のデータを一元管理できるため、売上集計や分析がしやすくなる。
飲食店の規模にあわせたおすすめレジ
飲食店の規模や業態に合わせたおすすめのレジは以下のようになります。
小規模なお店
小規模なお店とは、席数が10席以下、スタッフが2人以下、メニューが10種類以下などの条件を満たすお店です。
このようなお店では、商品の種類が少なく、売上もそこまで多くないため、会計時にもすぐ入力できます。
また、スタッフの人数も限られているため、レジ締めや在庫管理などの業務も簡単に行えます。
この場合は、レジスターでも問題ありませんが、業務の効率化や経営のサポートを考えると、タブレットPOSレジがおすすめです。
タブレットPOSレジは、タブレット端末にレジ機能をインストールして使用するレジで、画面上から直観的に操作できます。
周辺機器とは無線で通信するため、持ち運びもできます。
タブレットPOSレジはスペースを取らないことや持ち運べることがメリットですが、それだけではありません。
タブレットPOSレジには、売上集計・分析機能や顧客管理・分析機能などのPOS機能が搭載されています。
これらの機能を使えば、売れ筋商品や混雑時間帯などを把握しやすくなり、メニューやスタッフ配置などの経営戦略に活用できます。
また、顧客に合わせたオススメ商品やクーポンなどを提案しやすくなり、リピート率や売上アップにつなげることができます。
タブレットPOSレジは価格も安く、月額0円から利用できるものもあります。
小規模なお店でも手軽に導入できるため、コストパフォーマンスが高いと言えます。
中規模なお店
中規模なお店とは、席数が10席以上30席以下、スタッフが3人以上5人以下、メニューが10種類以上30種類以下などの条件を満たすお店です。
このようなお店では、商品の種類が多くなり、売上も増えるため、会計時には時間がかかります。
また、スタッフの人数も増えるため、勤怠管理や教育管理などの業務も必要になります。
この場合は、POSレジやタブレットPOSレジがおすすめです。
POSレジは販売情報をリアルタイムに収集・管理する機能を有したレジで、商品別にバーコードを読み取ったり、売上や在庫を分析したりできます。
また、クレジットカード決済やポイントカードなどと連携することも可能です。
POSレジは操作性や耐久性に優れていますが、導入費用が高くなることがデメリットです。
タブレットPOSレジは、タブレットレジにPOS機能を追加したレジで、顧客管理や商品・在庫管理、スタッフの勤怠管理などもできます。
データ分析もパソコンやスマートフォンから行えます。
タブレットPOSレジは規模や業態を問わず使える万能なレジです。
中規模なお店では、売上管理や在庫管理だけでなく、顧客管理やスタッフ管理なども重要になります。
そのため、POS機能を備えたレジが必要です。
POSレジやタブレットPOSレジを使えば、経営の効率化や改善に役立つデータを得ることができます。
大規模なお店
大規模なお店とは、席数が30席以上、スタッフが5人以上、メニューが30種類以上などの条件を満たすお店です。
このようなお店では、商品の種類が非常に多く、売上も高いため、会計時にはスピードと正確さが求められます。
また、スタッフの人数も多いため、勤怠管理や教育管理などの業務も複雑になります。
この場合は、POSレジがおすすめです。
POSレジは販売情報をリアルタイムに収集・管理する機能を有したレジで、商品別にバーコードを読み取ったり、売上や在庫を分析したりできます。
また、クレジットカード決済やポイントカードなどと連携することも可能です。
POSレジは操作性や耐久性に優れていますが、導入費用が高くなることがデメリットです。
大規模なお店では、売上管理や在庫管理だけでなく、顧客管理やスタッフ管理なども重要になります。
そのため、POS機能を備えたレジが必要です。
POSレジを使えば、経営の効率化や改善に役立つデータを得ることができます。
飲食店の業態別のおすすめレジ
飲食店の規模だけでなく、業態によってもおすすめのレジは異なります。
ここでは、代表的な業態ごとにおすすめのレジを紹介します。
居酒屋
居酒屋では、メニューの種類が多く、注文回数も多いため、会計時に時間がかかります。
また、来客数も多く、スタッフ数も多くなりがちです。
この場合は、POSレジやタブレットPOSレジがおすすめです。
POSレジやタブレットPOSレジは販売情報をリアルタイムに収集・管理する機能を有したレジで、商品別にバーコードを読み取ったり、売上や在庫を分析したりできます。
また、クレジットカード決済やポイントカードなどと連携することも可能です。
POSレジやタブレットPOSレジは操作性や耐久性に優れていますが、導入費用が高くなることがデメリットです。
居酒屋では、レジ前の混雑を回避するテーブル会計や、スタッフの勤怠管理、店舗ごとの売上分析が必要になります。
また、オーダーエントリーシステムと連携させるとテーブル管理が容易になります。
それぞれのお店のデータをクラウド上で管理することで全店舗の売上や在庫状況がリアルタイムで把握できます。
ファストフード
ファストフードでは、メニューの種類は少ないですが、注文回数は多く、会計時にはスピードが重要です。
また、テイクアウトの需要も高いため、持ち帰り用の包装や袋などの在庫管理も必要です。
この場合は、タブレットレジやタブレットPOSレジがおすすめです。
タブレットレジは、iPadなどのタブレット端末にレジ機能をインストールして使用するレジで、画面上から直観的に操作できます。
周辺機器とは無線で通信するため、持ち運びもできます。
タブレットレジはスペースを取らないことや持ち運べることがメリットですが、POS機能はありません。
タブレットPOSレジは、タブレットレジにPOS機能を追加したレジで、顧客管理や商品・在庫管理などもできます。
データ分析もパソコンやスマートフォンから行えます。
ファストフードでは、会計時にはキャッシュレス決済や軽減税率に対応していることも必要です。
タブレットレジやタブレットPOSレジを使えば、クレジットカードや電子マネーなどの決済方法を受け付けることができます。
また、セルフオーダー・テイクアウト機能を使えば、顧客自身が注文や決済を行えるようになります。
これにより、スタッフの業務効率化や人件費削減、顧客の満足度向上などが期待できます。
カフェ
カフェでは、メニューの種類は多くありませんが、ドリンクやケーキなどの提供時間は短くないため、会計時には混雑しやすいです。
また、常連客やリピート客も多いため、顧客管理やサービス提供も重要です。
この場合は、タブレットPOSレジがおすすめです。
タブレットPOSレジは、タブレット端末にレジ機能をインストールして使用するレジで、画面上から直観的に操作できます。
周辺機器とは無線で通信するため、持ち運びもできます。
タブレットPOSレジはスペースを取らないことや持ち運べることがメリットですが、それだけではありません。
タブレットPOSレジには、売上集計・分析機能や顧客管理・分析機能などのPOS機能が搭載されています。
これらの機能を使えば、売れ筋商品や混雑時間帯などを把握しやすくなり、メニューやスタッフ配置などの経営戦略に活用できます。
また、顧客に合わせたオススメ商品やクーポンなどを提案しやすくなり、リピート率や売上アップにつなげることができます。
カフェでは、セルフオーダー・テイクアウト機能も有効です。
テーブルにタブレット端末やQRコードを設置し、顧客自身が注文や決済を行えるようにすることで、レジ前の混雑を回避できます。
また、テイクアウトの需要に対応できるようになり、売上の拡大につながります。
飲食店向けのレジの費用
レジの費用は、導入費用と月額利用料の2つがあります。
導入費用は、レジ本体や周辺機器などの購入費用や設置費用などを指します。
月額利用料は、レジの機能やサービスを利用するために支払う費用です。
これらの費用は、レジの種類や機能、台数、オプションなどによって大きく変わります。
一般的に、ターミナル型のPOSレジは導入費用が高く、月額利用料も高いですが、操作性や耐久性に優れています。
タブレット型のPOSレジは導入費用が安く、月額利用料も安いですが、持ち運びができるなどのメリットがあります。
パソコン型のPOSレジは導入費用が中程度で、月額利用料も中程度ですが、カスタマイズ性が高いです。
レジの種類 | 導入費用 | 月額利用料 | 特徴 |
---|---|---|---|
ターミナル型 | 20~50万円/台 | 数千~2万円/台 | 操作性・耐久性に優れる |
パソコン型 | 0~50万円/台 | 5,000~3万円/台 | カスタマイズ性が高い |
タブレット型 | 0~20万円/台 | 0~2万円/台 | 持ち運びができる |
また、消費税軽減税率制度に対応したレジを導入する場合は、「軽減税率対策補助金」という補助金制度を利用できる可能性があります。
この補助金制度では、軽減税率対応のレジを購入した場合、その2/3(上限20万円)が補助されます。
ただし、この補助金制度には申請期限や条件がありますので、事前に確認しておく必要があります。
まとめ
飲食店のレジ選びは、お店の規模や業態に合わせて慎重に行いましょう。
レジはお店の売上や経営を管理する重要なツールですから、適当に決めると後悔するかもしれません。
レジは使えば5~8年使い続けられるものですから、それを見据えてお店に合ったものを選びたいものです。
今回紹介したレジの種類や機能、おすすめのレジを参考にしてください。